梅の実学園の仲間たち

梅の実学園のメンバー(生徒)たちの物語です。現在のメンバーたちは4800人(匹)!!みんなで作る学園です!!

海の思い出

こんにちは。佳奈(中1)です。

ウチは横浜に住む女子中学生。

おしゃれが大好きで、他の友達と同じことをするのが嫌いです。

 

学校は地元にある「山手中学校」。ごく普通の公立の学校です。

学校の校則はそんなに厳しくはないけど、先輩から受け継がれた「暗黙の校則」が厳しすぎるんです。

ウチら中1は、制服のリボンを下げてはダメ、スカート丈も短くしてもダメ、カバンはリュックオンリ…ととにかく厳しい。中2や中3の先輩陣は、スカート丈もみんな短いし、みんな自由。

 

ウチはそれに反発して、髪もおろして、スカート丈も短くして、カバンも先輩たちが持っていく革製のバッグで登校した。

案の定、女子の先輩たちににらまれた。同級生たちもウチのことを無視はしないけど、敬遠されている。影では「勇気あるじゃん。」とか「先輩の言うことを聞かないサイテーな女。」とか「ウチはあーいうーことはできないや。」とかいろいろ言っているみたい。

学校へ行っても友達はいません。別に作るつもりはないし。気の合わない同級生たちと一緒に仲良しごっこをするのも疲れる。

親とはほとんど会話をしていません。父親は仕事で帰りが遅くてほとんど会わないし、母親は暇なときにネットサーフィンを楽しんでいる。

 

ある日。ウチは先輩女子たちににらまれ、ケンカになった。

先輩女子A「お前さ、中1のくせに生意気なんだよ!」

先輩女子B「いい加減にウチら先輩の言うことを聞いて、おとなしくするんだな!」

と、先輩女子たちはウチに襲い掛かる。…と、その時…

 

「やめろよ!!」

と、やってきたのは、同じ中学の先輩の晋吾(中3)だ。

先輩女子A「やばい!!行くぞ!!」

と、先輩女子たちはすぐに逃げた。

 

晋吾「大丈夫かよ。」

佳奈「ぜんぜん。いつものことだから。」

晋吾「これから海に行かない?」

佳奈「え?」

と、晋吾に誘われ、地元の海へ。

 

海に来ると心が癒される。

晋吾「お前、中1なのに、やるな~。校則破りの制服で。」

佳奈「別に。人と同じことをするのが嫌いだから。おかしくない?ロボットみたいで。」

晋吾「そうだよな。オレも中1からずっと校則を破っているし、バイクも無免許で乗っているし。」

佳奈「ていうか、無免許でバイクをのるのはダメでしょ。」

晋吾「いいじゃん。誰にも迷惑をかけないし。」

佳奈「そうじゃなくて、事故に遭ったらどうするの?みんなに迷惑かけるよ。ウチもそう。」

晋吾「…。」

しばらくは、会話がなかった。

 

2人で砂浜に座り、海を眺めていた。

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晋吾はウチとよく似ている。中1からずっと校則破りの問題児。部活もすぐに辞めて帰宅部

ウチはバドミントン部に入っているけど、ほとんど参加していないし。

なんかドキドキしてきちゃった。

 

そのすきに晋吾はいったんいなくなってしまった。

あれ?一人ぼっちになっちゃった。

ひとり寂しく海を眺めてみると…冷たい!…と、振り向くと、晋吾が戻ってきた。

晋吾「飲むか?」

佳奈「うん。」

と、晋吾はジュースを買って来てくれた。

晋吾「なあ…オレと付き合わないか?」

佳奈「え?」

晋吾「オレと接点が似ているし、一番話が合うと思うんだ。」

佳奈「無免許バイクをのるのをしばらく辞めるんだったら、考えるけど。」

晋吾「え?」

佳奈「だって危ないでしょ?こないだ無免許運転の少年の車が事故を起こして、相手を死なせてしまったニュースが後を絶たないし、被害者も加害者もなってほしくない。学校の校則は別に社会が必要とされているものではないけど、命にかかわる行為を破るのはどうかと思う。」

晋吾「…わかったよ。辞めればいいでしょ?」

佳奈「Yes!」

この海にいたことが2人の思い出の場。

 

学校にいるよりも、家にいるよりも、一番楽しい。

まだ付き合ったばかりだけど、ずっと一緒にいたい。

 

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