＊＊＊出演＊＊＊
鎮（38歳・外科医）
翔祐（25歳・看護師）
（一言）
ぼくは都内の大学病院に勤務する医師です。専門は消化器外科で、肝臓などの臓器移植が必要な患者や消化器系のがんや特定疾患の治療を行っています。
医師は内科系（消化器内科、循環器内科など）、外科系（消化器外科、心臓血管外科など）、小児科、女性専門診療科系（婦人科、産科）、精神科、麻酔科など、それぞれの診療分野で診療をしたり、治療の研究をしたりします。
医師になるには大学の医学部または医科大学に進学をします。大学受験自体は難関な大学が多いので、偏差値70以上の公立進学校や私立中高一貫校の出身者が圧倒的に多く、それ以外の高校では浪人を経験して進学するのがほとんどです。ただし、大学によってレベルが違うので、一概には言えませんが。ぼく自身も偏差値が70すれすれの私立中高一貫校を卒業しましたが、1年浪人を経験して、大学の医学部に進学しましたから。大学卒業後は他の大学と同様に簡単に卒業ができます。医学部は6年間あるので、6年間勉強をして、医師国家試験を受験して、合格すると初めて医師免許を取得します。
医師免許を取得したら、研修医として、大学病院や総合病院で勤務します。研修医の期間は2年間で、最初の1年間はすべての診療科を一通り学びます。後半の1年間は自分が希望する診療科に配属し、そこで研修を行います。研修医期間が終了すると、研修医時代に勤務した病院に残るか、別の大学病院や総合病院、クリニックなどに転職をして、医師の道を歩みます。医師の道に進まずに、研究開発に従事する人もいます。ある程度の経験を積んだ後に、総合病院やクリニックを開業し、開業医として活躍する人も多いです。
医師としての問題ですが、医療事故や医療ミスがあった場合、患者とその家族とのもめごとがすごく厄介です。ひどい場合は裁判沙汰になってしまうため、常に医療事故や医療ミスは起こさないように気を付けなければなりません。医療現場は失敗は許されない世界なので、些細な失敗があると命にかかわってしまうことがあります。医師たちは毅然とした態度で、医療事故や医療ミスを起こさないよう、努力をしなければなりません。
医師としてのスキルはその疾患に対する治療研究と技術、自己決定力、行動力、コミュニケーション力…と、いろいろなスキルが必要です。治療技術の習得はもちろんですが、患者とその家族、看護師などの医療スタッフとのコミュニケーションが取れなかったり、自分で行動を起こさない人は医師としては向いていません。各高校がこぞって大学医学部進学のために受験勉強ばかりし、偏差値が高い生徒が医学部に進学すること自体、疑問があります。本人の希望で医学部を希望するのは悪いことではありませんが、親や教師、周りに言われたから医学部を受験するのはどうかと思います。大学受験では頭のいい子ばかりがもてはやされますが、医療現場ではそうはいきません。ぼくが勤務する病院でも1人か2人は頭のいい研修医の子が毎年入ってきますが、理論については卓越していても、突発的に患者の容体が急変した際の対応ができていなかったり、患者やスタッフとのコミュニケーションが取れなかったりする子が非常に多いです。ニュースで某国立大学医学部の学生たちが女子学生や女性医師にレイプをする事件があり、大きな問題になっています。医学部を受験する高校生や浪人生たちは、偏差値うんぬんよりも、人間力を磨くべきだと思います。ぼく自身も研修医時代からずっと苦労をしてきたので、一人前に認めてもらえるまではかなり時間がかかりました。当時医師をしていた父親からはいろいろ叱咤されたこともありました。今は子ども2人（勇馬・小1＆凛那・5歳）がいますが、医者になってもらいたいなんてないですし、仮になりたいと言っても、大変な仕事であることを教えるつもりです。
あとは大学医学部に進学するのは誰でもできますが、医師国家試験を受験する際は成年被後見人の方は受験できませんし、犯罪歴・薬物依存のある方は受験を制限されます。未成年者はもちろん受験はできませんので、医師になるのは誰でもOKではないです。性別では圧倒的に男性が多いですが、女性の医師もいます。
＊女性医師についてはこちら！→http://umenomi-gakuen.hatenablog.com/entry/2015/02/08/140000
医師は頭がいいだけではなることができない、人間力も技術も必要な仕事です。本当に医師を目指している人はぜひがんばってください。（鎮）
（他のみんなからひと言）
＞私は長崎県内の総合病院に勤務する循環器内科医をしています。私自身も浪人を経験し、研修医時代もすごい苦労をしました。医師は頭脳だけが飛び抜けていいのでは勤まらないので、常に向上心と人間力を磨いています。（善彬・32歳・内科医）
＞ぼくは都内の私立中高一貫校に通っています。大学のある付属校ですが、父（浩康・46歳・内科医）がぼくが通っている学校系列の大学病院で医師をしているので、父の仕事ぶりを見て、なりたいと決めて、毎日勉強しています。医師は何でも完璧でないといけないし、強い心でないと医師は務まらないと父から言われました。いつかは父のような医者を目指しています。（浩嗣・中2）
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