梅の実学園の仲間たち

梅の実学園のメンバー(生徒)たちの物語です。現在のメンバーたちは4800人(匹)!!みんなで作る学園です!!

障がいを持つ人たち

美月(高1)です。

今週のおしゃべりカフェは「障がい者」です。

障がい者は体や心など、さまざまなハンデを持ち、勉強や仕事にも支障が出ます。障がい者は健常者に比べて生活が困難で、家族や周りの援助が必要な人が多いです。

今日は障がいを抱える3人のメンバーと一緒におしゃべりしたいと思います。

メンバーは私・美月、長子さん(56歳・主婦)、たけさん(80歳)です。

 

美月「今日の「梅の実弁当」です。献立はご飯(梅干し付き)、和風ハンバーグ(キャベツのせん切りつき)、かぼちゃの煮物、ほうれん草のおひたし、漬物(たくわん)、果物(みかん)です。では、いただきます。」

3人「いただきます。」

美月「おいしいです。個人的には好きなものはないですが、食べやすいですね。」

長子「とてもおいしいですね。たけさんはいかがですか?」

たけ「おいしいですよ。」

 

~お弁当を食べ終わったところで、本題です~

美月「今日は緑茶を飲みながらおしゃべりしたいと思います。今日のテーマは「障がい者」で、この3人は何らかの障がいを持っています。それぞれの障がいを教えてください。まずは長子さん。」

長子「私は精神障がい者です。病名は「うつ病」です。発症したのは40代の時で、子どもの学校のPTAや近所の人たちとの人間関係が原因で、気分が落ち込んでしまい、死のうとしたことがありました。この病気で入退院をくり返し、家族にも迷惑をかけました。今は軽い家事をしながら、地元の精神科クリニックで通院治療を受けています。主人(吟・57歳・介護福祉士)の勤務先の精神障がい者施設で地活(地域活動)に参加したりしています。」

たけ「大変でしたね。私は身体障がい者です。60代の時に血管の病気で入院をしましたが、その後足が不自由になり、車いすでないと歩くのが困難になりました。家事も病気になる前は普通にこなしましたが、今は主人(隆一・78歳)に任せているので、主人には大変感謝をしています。私のふだんの介護は主人が行いますが、週に2回はデイケアサービスセンターに通所し、そこの介護士に介護を受けています。」

美月「ありがとうございます。私は発達障がい者です。障がいは「アスペルガー症候群」で、小さい頃から人とのコミュニケーションが取れずに、家や学校との人間関係に悩んでいました。中学の時に保健室の先生から「発達障がいがあるんじゃないの?」って親を経由して言われて、地元の大学病院で確定検査を受けて、アスペルガーと診断されました。今は都内の公立高校に通っていますが、高校に入った今でも同級生や先生との人間関係に苦しんでいます。」

長子「私が通っている地活でも発達障がいの方はいますよ。同じように人間関係で苦しんでいますね。」

たけ「昔に比べて人間関係が希薄になってきていますからね。私のところも近所に知り合いがいないので、あまりかかわっていないですね。」

長子「私のところもそうです。近所の人たちとはいろいろとやかく言われるので、本当に嫌でしたね。」

美月「2人はSNSはやっていますか?」

長子「やっていないです。携帯は持っていますが、いつも連絡を取るのは主人だけです。」

たけ「私もやっていないですし、携帯も持っていないです。連絡するのはいつも家の電話だけです。高齢者はネットなんて使わないですよ。」

美月「私はします!携帯は今はスマホを持っています。中学まではガラケーを持っていましたが、周りはみんなスマホを持っていましたので、ずっとほしかったので高校合格後にスマホに機種変更をしました。SNSですが、LINEはやっています。学校の部活の連絡の時に必要なので、加入しました。しかし、LINEによるトラブルが多くて、辞めようか迷っています。」

たけ「だったら辞めたらいいじゃない。私はネットはわからないのでアレだけど、怖いからね。」

長子「私は主人からネットは一切禁止にされています。ネットで一度トラブルを起こして、主人がもうネットは辞めろって止められました。」

美月「やっぱりそうですよね。親からもLINEは辞めろって言われたので、考えます。話は変わって、障がい者になって嫌なことはありますか?まずはたけさん。」

たけ「ずっと車いす生活をしているので、行く場所が限られています。車に乗るときは主人や介護士の方が私を抱きかかえて、助手席に乗せて、主人や介護士の方が車を運転します。車いすで歩くときはでこぼこ道とかが多いので、歩くのがつらいです。あとは他の病気も持っていますので、通院もほぼ毎日あります。」

長子「私も通院はあります。うつ病の治療はもっぱら薬なので、抗うつ剤だけでなく、それらに関連する薬や副作用を抑える薬まで全部処方されて、毎食後、寝る前と毎日飲まないといけないです。」

たけ「薬はいくつもらっているの?」

長子「私は毎食後が8種類、寝る前が3種類、合計11種類の薬を処方されます。薬を飲まなければうつ病の症状があらわれてくるからです。」

美月「薬を飲んで楽にはなりますか?」

長子「あまり楽ではないですね。精神科の薬は治ってもずっと薬は飲み続けなければなりません。障がい者になって嫌なことは薬のこともそうですが、周りからの偏見が根強いですね。病気になってからは周りの目は冷たいです。入院した時は看護師たちに押さえつけられたことがありました。それで閉鎖病棟に隔離されて外にも出られないです。本当につらかったです。」

美月「私も地元の精神科に通院をしています。大学病院で検査を受けたときは小児科でしたが、アスペルガーを診断された時はちょうど中学を卒業したばかりだったので、継続的に通院できるかかりつけの病院は小児科ではなく、今の精神科に紹介状を発行してもらって、母親と一緒に通院に行っています。医者とは…あまり相性が良くないですね。私も薬を処方されます。長子さんほどではないですが。」

長子「私のところは後町先生(37歳・精神科医)のクリニックで診察を受けているので、ちゃんと話を聞いてくれますよ。入院した時の精神病院は医者との相性は良くなかったです。精神科医は当たりはずれがあるので、合う人と合わない人がいますね。」

美月「私ですが、未だに人間関係のトラブルは多いですね。中学まではいじめもありましたし、高校ではいじめはありませんが、関わってくれる友達はいないです。あと、社会人になって、就職するじゃないですか。就職してからの人間関係も不安です。」

たけ「就職してからが一番困りますよね。」

長子「私は専業主婦なのでアレなんですが、地活でも職場の人間関係で悩んでいる方もいます。仕事が続けられなくて、施設内の作業所で訓練を受けている人もいます。発達障がいは子どもよりも大人の方が支援がなくて、就労も精神障がいなどと同じような訓練がほとんどです。発達障がいは周りからの支援が乏しいのも大きな問題ですよね。障害者手帳は持っているんですか?」

美月「私は療育手帳を持っています。精神障がい者の手帳も持った方がいいって支援センターから言われましたが、私も親も精神障がい者に対する偏見を持っているので、そっちの手帳は持っていません。精神障がい者の手帳って、バスなどの割引がないし。」

長子「バスは都内で地元の地域であれば乗車証が使えますよ。しかし、高速バスなどの割引はありません。身体障がい者手帳と療育手帳は割引はありますが、精神障がい者でもいろいろ出かけたい人たちもいるので、割引がなかったら本当に困ります。」

たけ「同じ障がい者なのに、割引がないのが痛いですよね。国は何で割引にしてくれないのでしょうか?」

長子「精神障がい者とその家族らが高速バスなどの割引が使えるようにしてほしいと署名をして、提出していますが、一向に改善をしてくれません。割引がなかったら旅行にも行けないですね。」

美月「最後に障がい者になってよかったことはありますか?」

たけ「主人が優しくなったことですね。障がい者になる前は普通に専業主婦をしていて、主人は普通に仕事をしていました。主人は他の家と同じように仕事人間でした。家では寡黙で家事とかは何もしなかったですしね。病気になり、足が不自由になってからは主人が家事をするようになって、とても助かっています。」

長子「私も主人ですね。病気になる前は会社員をしていましたが、私の病気がきっかけで、今の介護の仕事をするようになりましたから。あとは地活にいる利用者と仲良くなれたことです。それぞれの年齢も病気も違いますが、同じ悩みを共有できたのがよかったです。」

美月「私はまだないですね。気づきもないですし。嫌なことを言ってごめんなさい。お2人とも、今日はありがとうございました。」

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(左から長子、美月、たけ)

 

障がいを持つ人たちはあらゆる悩みがあります。

 

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