梅の実学園の仲間たち

梅の実学園のメンバー(生徒)たちの物語です。現在のメンバーたちは4800人(匹)!!みんなで作る学園です!!

医者のお仕事

「始めます…メス。」

 

~手術が終了して…~

看護師「おつかれさまでした。」

「あ、おつかれさま。」

あ、こんにちは。鎮(38歳・外科医)です。

いま患者のオペ(手術)が終わって、白衣に着替えたところです。

これから医局に戻ります。

 

あ、ところで、医者の仕事ってどんなものがあると思いますか?

医者は診療科目によって行う仕事が異なるんですよ。

今日はぼくを含め、医者として活躍する「梅の実」メンバーたちを紹介します。

 

医者は大学の医学部を卒業して、国家試験に合格して初めて医師免許を取得しますが、その後は大学病院や総合病院に就職して、「研修医」として医師の仕事を覚えます。

研修医の1年目が各診療科目を一通り覚え、2年目で希望する診療科目で指導医の元で臨床経験を積みます。

2年間の研修医期間を修了して、大学病院や総合病院、クリニックに就職をして、専門の診療科目で医師としての経験を積みます。最終的に大学病院や総合病院の勤務医として仕事をするか、クリニックを開業して個人で仕事をすることになります。

診療科目は内科、外科、小児科、産婦人科、精神科、眼科、耳鼻咽喉科などがあり、内科ではさらに一般内科、糖尿病内科、消化器内科、泌尿器内科、循環器内科、神経内科、呼吸器内科などがあり、外科ではさらに一般外科、整形外科、消化器外科、泌尿器外科、心臓血管外科、脳神経外科、呼吸器外科などがあります。

 

まずはぼくですが、都内にある「慶明大学附属病院」で消化器外科の医師をしています。

仕事は午前中は週3回が外来の診察、週に2回が書類作成や病棟患者の応急処置などです。午後からは病棟患者の回診が中心。しかし、午前・午後ともに不定期にオペがあります。オペは消化器系のがんから肝臓移植まで主に難しい症例が中心です。

自分の担当患者は基本的に各かかりつけ医療機関からの紹介状を発行してもらい、外来の診察を行いますが、症例によっては担当をお断りする場合があります。その際は元のかかりつけの医療機関の元で診察を受けてもらうか、症状に適した医療機関等を紹介することになります。ぼくの場合は担当する患者は消化器系のがんや特定疾患、肝臓や小腸移植が必要な患者のみで、年齢は基本的に制限はありません。大学病院は外来患者の数が多くてすごく忙しく、すべての患者を担当することは不可能です。あまりにも軽度の患者はいかなる理由であっても受け入れない方針にしています。

 

次はぼくと同じ「慶明大学附属病院」に勤務する森本先生(44歳・外科医)。診療科は心臓血管外科です。

専門は先天性心疾患の患者が中心。主に子どもの患者が多いですが、大人の患者も担当しています。先天性心疾患以外では心筋梗塞などの一般の心疾患、拡張型心筋症などで心臓移植が必要な患者です。

オペでは心臓という繊細な臓器を扱うので、手先の器用さや正確な処置が問われます。森本先生のオペはとても器用で大事に心臓を扱うし、処置もすごく早いです。また、「慶明大学」では医学部の准教授をしており、学生たちの指導も行っています。

 

次は愛知にある「今成クリニック」を経営する遼先生(45歳・内科医)。診療科は内科と麻酔科です。

研修医時代から「名駅大学附属病院」の麻酔科医として患者のオペの麻酔を担当していました。麻酔科以外では内科も担当し、「ペインクリニック」という痛みの治療も行ってきました。5年前に現在のクリニックを開業し、ペインクリニックを中心とした治療を中心に患者の外来診察を行っています。基本的に保険外治療の診察が多く、治療費が非常に高額ですが、保険治療も行っているそうです。

私生活では妻の里津子先生(41歳・外科医)と結婚。里津子先生は「名駅大学附属病院」で泌尿器外科の医師をしており、夫婦で医師として活躍しています。

 

次は東京・中央町にある「うめみキッズクリニック」を経営する和重先生(47歳・小児科医)。診療科は小児科です。

長年「早勢大学附属病院」の小児科医として臨床経験を積み、のちに現在のクリニックを開業。患者は小児科疾患全般で、かぜなどの軽度の患者から中程度の患者まで担当。重度の症状の場合は「早勢大学附属病院」を中心に紹介状を発行します。担当する患者の子どもは0歳~中学生までで、高校生の場合はぜんそくなど、継続的診療が必要な場合のみ担当しますが、それ以外は近隣のクリニックで診てもらうことになります。診療時間は午前中と夕方が基本時間ですが、夜間になって子どもが急に具合が悪くなって、和重先生のクリニックに駆け込む親子が急増しています。

子どもの場合、医療費が自治体で無料になっているところが多く、多くが中学生までですが、地域によっては高校生まで無料になっているところがあります。乳幼児を中心に子どもの死亡率を下げることや保護者の負担軽減が狙いですが、医師にとっては何のメリットもありません。子どもの医療費無料化が原因で、夜間に急にクリニックに駆け込む親子が後を絶たず、医師とその家族の生活に支障をきたします。また、診療報酬が少なく、子どもが医療事故で死亡した場合、保護者が医者を相手取って、裁判沙汰になるケースが多く、小児科医を志さない若い医師が増えてしまいます。子どもの医療費無料化を全面的に廃止にし、年齢にかかわらず収入が少ない世帯のみ無料化にすべきで、一定以上の収入のある世帯は医療費を徴収すべきだと思います。

話はずれてしまいましたが、和重先生はクリニックの仕事のほか、「早勢大学」・医学部医学科の講師をしており、学生たちの教鞭をとっています。

 

最後はぼくと同じ「慶明大学附属病院」に勤務する花江先生(39歳・救命医)。診療科は外科ですが、病院内にある「高度救急救命センター」の救命医をしています。

「高度救急救命センター」では、重度の救命治療が必要な第3次救急施設で、乳幼児から高齢者まで、緊急を要する患者の救命治療が中心です。朝から深夜まで毎日患者が運ばれてくるため、突発的な対応と迅速な処置が必要になってきます。「高度救急救命センター」で治療を受けた患者は死亡した患者や外来で来た患者を除き、救命専門のICUで入院しますが、症状によって一般のICUやHCU、一般病棟に転院することになります。

花江先生は入職から一貫して、救命医として数々の症例を診てきました。つらいこともいっぱいあるけど、この仕事が好きだから続けているとおっしゃっていました。女性でありながら、救命の最先端を目指している姿はすごくかっこいいなって思います。

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他にもたくさんの医師たちを紹介したいのですが、スペースの都合でここまでとなります。

 

医師は大学受験で、大学では最もレベルの高い医学部を受験し、合格を勝ち取ります。医師の場合は学ぶことも覚えることもすごく多く、大学の医学部の偏差値が70以上必要なのはそのためです。しかし、大学受験に合格したから医師になれるとは限りません。医師の国家試験は誰でも受験することができません。未成年者はもちろんですが、成年被後見人の方の受験は一切不可。犯罪歴がある場合は受験が制限されます。仮に医師になっても犯罪を犯してしまった場合は医師免許をはく奪される場合があります。

医師は頭がいいだけではなることはできません。病院ではいろいろな患者が運ばれてくるので、突発的な対応や患者とその家族に安心感が持てるコミュニケーション能力、手先の器用さが求められます。いくら学校の成績がよくても、人とのコミュニケーションが取れなかったり、臆病で治療ができない人は向いていません。治療はきちんとできても、患者やその家族に対して冷酷な応対をしたり、陰でコソコソ笑ったりするのは論外。医師は若手・ベテランに限らず、迅速で丁寧な治療技術、好奇心旺盛な治療研究、そして心のこもったコミュニケーション能力…と、すべて完璧にこなさなければなりません。医療現場に失敗は許されないのです。

 

医師は勤務医として大学病院や総合病院で臨床経験を積み、開業医として臨床経験を積みながら病院やクリニックの経営にも携わりますが、これ以外にも研究医として病気の研究開発に携わったり、法医学の分野で司法解剖行政解剖をして死因を調べたり、臓器移植ネットワークのコーディネーターとして臓器移植の現場に携わったりするなど、さまざまな分野で仕事をしています。中にはタレントとしてテレビに出演する有名医師もいます。最近ではアイドルグループに所属していたメンバーが医師の国家試験に合格し、医師に転身した人もいますね。

医者は大変な仕事ですが、とてもやりがいがある仕事でもあります。たくさんの患者たちが今日も治療を待っています。

 

今日は「医者のお仕事」についてお送りしました。

 

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