こんばんは。浩子(24歳・銀行員)です。
私は栃木県に住んでいます。
大学を卒業後、大手銀行の「四菱(よつびし)銀行」に就職。地元の支店の窓口業務を担当しています。
1年前に一人暮らし。
両親のいる家から数kmぐらいしかない近くのマンション。
理由は…父の憲造(56歳・公務員)がうるさいからだ。
今は仕事のこと、付き合っている彼氏のことなどいろいろと厳しい。
小さい頃からずっとそうだ。
母の藍子(59歳・主婦)はそんな私を温かく見守ってくれている。
久しぶりに実家へ帰ってくると…。
浩子「ただいま!」
藍子「あら、おかえり。どうしたの?」
浩子「たまにはお母さんのご飯が食べたくなって。」
リビングでくつろぐと父が帰ってきた。
藍子「おかえりなさい。」
憲造「ああ。」
ちょうど私と目があった。
憲造「何しに来たんだ。」
浩子「別に。たまには実家へ帰らないとね。」
憲造「あの男とはどうなんだ。え?くだらん奴と付き合ってないで早く仕事を辞めてお見合いでもしたらどうだ。」
浩子「私は別れる気はないよ。それよりお父さんこそ、お酒をやめたら。もう年なんだし、血圧が上がるから。」
憲造「お前に言われたくない。」
藍子「まあまあ、2人ともケンカしないの。もうすぐご飯できるわよ。」
夕食の時間。
私以外のきょうだいたちはみんな結婚してそれぞれの地で暮らしている。
結婚がまだなのは私だけ。
家族3人での夕食。久しぶりの母の手料理。すごくおいしい。
父はビールを飲みながらご飯を食べている。
憲造「おい。」
父はビール瓶を持ちながら私に話しかけた。晩酌をしようとしているのだ。
浩子「ありがと。」
と、私もお酒はあまり飲めないけど、グラス1杯のビールを入れてもらった。
浩子「ん~おいしい!」
憲造「仕事はどうだ。」
浩子「順調。いつも同じ業務だけど、1円でも間違えないようには気を使っている。」
憲造「そうか。」
いつもこの通り。会話のキャッチボールがない。
父はがんこで無口。その反面、私のことになるとすぐカッとなって怒る。
いろんなたわいもない会話が続く…。
ご飯を食べ終わるとすぐに今のマンションに帰宅する予定。
浩子「お母さんありがとう。ごちそうさま。」
藍子「ううん。いつでもいらっしゃい。ここは浩子の実家なんだから。何かあったら電話ちょうだい。」
浩子「うん。」
出ようとしたところ、父が…。
憲造「浩子。」
浩子「何?」
憲造「今日はうちへ泊まらないか。外は真っ暗だし、一人娘に何かあったら困る。部屋はちゃんと残してあるぞ。」
浩子「お父さん…。」
母もうなずいた。
父はがんこだけど、本当はとても優しい。
今日は実家へお泊り。
今の彼氏との結婚はまだまだだけど、いつか両親が祝福できるようになりたいな。
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