こんにちは。和光(中等教育学校6年)です。
今日、3月11日は「東日本大震災」発生から2年になりました。
東日本大震災はご存知の通り、宮城県を震源地とし、東北の宮城、岩手、福島を中心に、関東・東北地域が地震、津波の被害に遭い、多くの方が犠牲になり、生活基盤まで奪われました。
その中で大きな大惨事になったのが、その2日後に起こった「福島原発事故」です。
福島原発事故は、1号機が爆発し、その放射能による「放射性セシウム」が原因で、多くの農産物が被害に遭いました。原発近辺に住んでいる人たちは県外へ避難か、避難所生活を今でも余儀なくされています。
福島原発事故を契機に、各地の市民団体が「脱原発・反原発」の運動が起こりました。福島原発を除く全国の原発は、福井県の大飯原発3、4号機が再稼働をしましたが、それ以外の原発はすべて停止。その代替を火力発電等でまかなっています。
果たしてそれでいいのだろうか?
そこで今回のチャットジャッジは「原発依存 vs 脱原発」と題して、原発に依存した生活を推進するメンバー4人と、原発以外のエネルギーを希望するメンバー4人が討論します。
ファシリテーターはぼく・和光です。
パネリストは「原発依存派」からは太陽(中1)、レイ子さん(50歳・飲食店パート)、謙一さん(42歳・メーカー勤務)、高村さん(54歳・メーカー勤務)です。「脱原発派」からはエリサ(ねずみ・♀1歳)、百合恵さん(34歳・主婦)、ウィリアムさん(ダックス・♂6歳)、銀河(高2)です。
太陽とエリサは子どもメンバーを代表して、レイ子さんと百合恵さんは子どもを持つ母親を代表して参加します。
謙一さんは大手機械メーカーで原子力関連の設計の仕事をしています。ウィリアムさんは謙一さんと同じ会社ですが、こちらは自然エネルギー関連の設計の仕事をしています。
高村さんと銀河は被災地を代表して参加します。
まずは、原発依存派から。
>「原発ゼロ」とみんながワイワイ言っているけど、年数的に原発を廃止にするのは困難だし、大飯原発に限らす、他の原発も再稼働をすると思います。海外ではアメリカなどの国では原発を推進しているところもあります。(太陽)
>私は重度の身体障害を持つ成人の子どもがいます。子どもはずっと寝たきりで、私と主人が仕事で外出をするときは、介護ヘルパーさんが面倒を見てくれます。寝たきりの家族にとって、電気は必要不可欠。電動式ベッドをはじめ、酸素の管を通す機械やたんをとる吸引器は電気でないといけません。もし、原発がすべて停止したら、子どもの命は止まってしまいます!(レイ子)
>日本では戦後の昭和から原子力発電所が開発し、長いこと原発に頼ってきました。廃炉は早くても30~40年以上もかかるので、今の段階で原発をなくすことは困難です。自公政権になった今は、脱原発はありえないでしょう。数年後は大飯原発以外の原発も再稼働をします。反対に地震や津波による原発の影響についても今後は考えていかなければなりません。(謙一)
>私は宮城に住んでいますが、原発をゼロにしたら、仕事や生活に悪影響を及ぼします。太陽光は各家で設置するのに相当な費用が掛かります。(高村)
他のメンバーからの意見があります。
>私は都内の大学病院で、心臓血管外科が専門の医師をしています。心筋梗塞などの心疾患や「解離性大動脈瘤」などの緊急性の病気のオペ(手術)では、人工心肺などの生命維持装置が必要不可欠です。停電など、万一に電気がなくなる状況になった場合は、病院内にある蓄電装置がありますが、長時間の停電では不可能です。オペに限らす、ICU(集中治療室)や救命センターなどの現場でも混乱を招く恐れがあります。(森本・44歳・外科医)
>太陽光は一軒家しかつけることができないし、火力発電はコストがかかります。水力・風力では発電の力が弱いので、いずれにしても原発は私たちの生活の中で必要不可欠の存在ではないでしょうか?(学美・28歳・石油会社勤務)
脱原発派からの反論です。
>もし万一に地震などで原発事故を起こしたらどう責任を取るつもりですか!?地震だけだったら、家を建て直したりはできますが、原発事故で起こした放射能は全国・全世界にあちこちに広がります。放射能は完全に消えることはできません。(エリサ)
>放射能は大人も影響をしますが、抵抗力の弱い子どもやお年寄りは放射能障害の被害に遭います。白血病など、大きな病気を起こすこともあります。(百合恵)
>原発がなくても火力発電や太陽光発電で十分に対応できます。家電量販店では節電に対応した商品もありますから。(ウィリアム)
>原発付近に住んでいないから簡単に言えること。原発付近に住む当事者は人ごとではありません!!現に県外へ引っ越しをした人や元の家に帰れない人たちが多くいます。(銀河)
続いては脱原発派から。
>過去には広島・長崎の原爆投下やロシアのチェルノブイリ原発事故などが起こりました。原発の放射能に対する安全性は確認されていないんですよ。それでも国は原発を再稼働をしたいんですか!?原発を稼働する前に、まずは放射能の安全性が先です。(エリサ)
>私は小さい子ども(大季・小2&綾祢・4歳)がいるので、これ以上放射能まみれの生活はしたくありません。福島原発事故が原因で食べ物や水に「放射性セシウム」が検出されたじゃないですか。放射能がついた食品をずっと避けていました。産地にもこだわりましたね。福島の人には悪いですが、福島県産のものは買いたくありません。放射能が完全になくなるまでは信用できませんから。(百合恵)
>将来的には太陽光発電や再生エネルギーに変わると思います。太陽光発電は今のところ一軒家しか設置することができませんが、いずれは集合住宅にも設置したいと考えております。再生エネルギーは現在開発中ですが、もし成功すれば、原発の必要性はなくなります。(ウィリアム)
>ぼくは福島在住ですが、原発から離れた地域に住んでいるので、あの事故の恐ろしさが今でも忘れません。この事故で現場の作業員の方などが亡くなりました。原子力の廃止は日本だけでなく、海外でも活発に動いています。(銀河)
他のメンバーからの意見があります。
>私は神奈川県にある家電量販店に勤務する営業マンです。パソコンやエアコン、冷蔵庫などの家電はすべて省エネ・節電に対応した商品を扱っています。電球も白熱灯からLEDに統一しました。LEDは少々お高いですが、白熱灯に比べて長くもちますので、節電効果があります。今持っている古い家電は、特別な事情がない限り、節電対応のものに買い替えをすることをお勧めします。(ジロー・さる・♂7歳)
>ドイツなどのEU諸国では風力・水力発電がメインです。原子力はチェルノブイリの事故を教訓に、原子力発電を徐々に減らしていっています。私が住むドイツも脱原発を推進しています。(ヘレン・18歳)
原発依存派からの反論です。
>太陽光発電には限界があります。雨など気候が悪い日々が続くと、電力は持ちません。(太陽)
>原発のない電気は考えられません。確かに原発事故も問題ですが、それよりも電気で生命を維持している家族の方が大事です。(レイ子)
>「脱原発」とうたっている国民の方がおかしい!現実を見るべきです。再生エネルギーの開発はまだまだ時間がかかります。しばらくの間は原発に頼る必要があります。(謙一)
>私も将来的には原発を廃止にしてほしいです。でも無理でしょ?時間もコストもかかるし、原発を必要とする人もいるんです。(高村)
以上で終了です!!
ここでぼくがジャッジします。
結論は…今現在では、原発に頼らなければいけない生活。しかし、太陽光や火力など他のエネルギーとの組み合わせを!!
廃炉に30年以上かかる原子力発電は、今現在なくすのは不可能です。今後は福島原発を除くすべての原子力発電所の再稼働はありえます。
しかし、脱原発を求める国民の声にも反映しなければなりません。太陽光や火力発電をはじめ、再生エネルギーの開発など、原発に依存しない電力作りも急務です。
政治家のみなさん、エネルギーを開発する企業のみなさん、ぜひともご検討を。
今日はチャットジャッジ・第3回、「原発依存 vs 脱原発」をお送りしました。
ランキングに参加しています。ぽちっと押してください!