こんにちは。浩康(46歳・内科医)です。
今日から30日は「結核予防週間」です。
結核とは、結核菌に感染しておこる感染症で、感染症法では第二類感染症に指定されています。
日本では結核に感染する罹患者が多く、現在でも毎年感染者が出ています。
ここで、結核とはどういうことなのかを説明しましょう。
先ほどちらっと話しましたが、結核は結核菌によって起こる病気。感染経路は空気感染によって起こります。
発症は肺結核を代表するように呼吸器系の感染が多いですが、消化器系や中枢神経系など、多くの器官に感染する病気です。
大半が無症状ですが、放置すれば重篤な症状になり死に至ります。
世界での感染者は約800万人。日本では年間3万人が罹患しています。日本の場合は外国と比べて湿気が多いことが結核になりやすい気候条件であります。
日本での結核の歴史ですが、第2次世界大戦後まで多くの感染者がいました。戦前での感染者の増加は先ほど言った湿気に加えて、衛生面の問題が絡んでいました。
結核は各器官でいろいろな病気がありますが、その中で特に多いのが「肺結核」です。
肺結核は発熱や倦怠感、体重減少、激しいせきなどが起こり、血痰を伴うせきも起こります。第2次世界大戦後までに起こった肺結核は、その当時は「不治の病」「難病」と呼ばれていました。かつての歴史上の人物たちも肺結核で亡くなった人たちもいました。
第2次世界大戦以降に「ストレプトマイシン」の普及で、肺結核をはじめとした結核の感染者は減少しましたが、現在でも結核の感染者は横ばい傾向で、先進国に比べて感染者は最も多いです。
結核の治療は、感染者は結核病棟のある最寄りの病院での隔離入院が法律で義務付けられています。治療は薬物療法が中心。ただし、各器官によって治療方法が異なるので、詳しくは下のリンクをご覧ください。
予防はBCG予防接種を乳幼児の段階から行います。かつては乳幼児期にツベルクリン反応検査を行い、その後陰性反応が出た子のみにBCG接種を行い、その後小学生、中学生にも同様の検査、接種を行っていました。2005年にツベルクリン反応検査を行わずにBCG接種を行う形になりました。このBCG接種は子どものみ効果がありますが、成人以降になると全く効果がありません。
現在の結核の感染者は抵抗力の弱い高齢者などが多いですが、若者でも感染者が多いです。結核に感染されていることに気付かずに、知らない間に結核の感染が広がっているケースが多くありました。某芸能人の結核感染のニュースも話題になりました。
せきが長引いたり、体調がちょっとおかしいと思ったら、最寄りの病院で受診してください。その際は必ずマスクをつけて下さい。子どもさんや高齢者の方の場合は保護者や配偶者などの方も含めて双方ともにマスクをつけて下さい。結核を治療できる病院がわからない場合は最寄りの保健所に相談してください。下のリンクにも詳しい情報があるので、そちらも参考になればと思います。
結核も早期発見・早期治療が大事です。
というわけで、浩康でした。
お大事に。
*参考リンク*
ウィキペディア(結核):http://wpedia.goo.ne.jp/wiki/%E7%B5%90%E6%A0%B8
公益財団法人結核予防会:http://www.jatahq.org/index.html
ストップ結核パートナーシップ:http://www.stoptb.jp/
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