梅の実学園の仲間たち

梅の実学園のメンバー(生徒)たちの物語です。現在のメンバーたちは4800人(匹)!!みんなで作る学園です!!

南の島からの家族の絆

ハロー!ルシール(47歳)です。

私はニュージーランドに住んでいます。ニュージーランドは日本やアメリカなどから南に離れた小さな島です。オセアニア諸国ではお隣のオーストラリアに次いで2番目に大きいです。

家族は私と夫のハンニバル(50歳)、娘のジャニス(21歳)とルアンナ(16歳)、息子のダスティ(13歳)の5人家族。

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夫は地元の総合病院を経営する医師で院長。専門は消化器外科です。上の娘は大学の医学部に通う学生、下の娘と息子は地元の中等学校に通っています。

 

こんな幸せな家族ですが、2年前に大事件が起こりました。

 

それは息子の体に異変があったこと。

当時小学生だった息子がお腹の痛みを訴えて、学校を早退しました。

私はあわてて、息子をベッドに横になって薬を飲ませましたが、日に日に病状が悪化。

ダスティ「痛い…痛いよ…!!」

ルシール「大丈夫よ。大丈夫だからね。」

と、息子の背中をさすりながら、自分に言い聞かせました。

あとで娘たちが帰ってきて、上の娘が息子の様子がおかしいことに気づき、すぐに車で夫のいる病院へ。

 

ルシール「うちの主人はいるの?」

看護師「あ、ちょっと待ってください。」

と、主人を呼びましたが、他の患者の診察でこっちには来られない模様。

他の医師が診察をして、結果は「食あたり」。点滴による治療をしましたが、一向に改善せず、息子のお腹の痛みが治まらない状況に。

ルシール「すぐに主人を呼んでちょうだい!!息子がおかしいじゃないの!!」

看護師「院長はまだ診察中で、無理です。」

ルシール「他の先生では話にならないわ!!すぐに主人を呼んで!!」

看護師はあわてて夫に連絡。やっと夫がかけつけました。

ハンニバル「ダスティは?」

ルシール「ずっとお腹が痛くて苦しんでいるの。すぐに診てもらって!!」

夫はすぐに息子を診察。すぐにCTや血液検査を行いました。

ハンニバル「ルシール、重度の腸閉塞かもしれない。すぐにオペ(手術)が必要だ。おい!オペ室は空いているか?」

看護師「すぐに調べてみます。」

しばらくすると…。

看護師「1部屋空いています。」

ハンニバル「すぐにオペ室を確保してくれ!!息子の命が危険な状態だ!!」

看護師「はい!!」

 

そして、夫はすぐに息子を手術室に運び、手術を行うことに。手術の執刀はもちろん夫。

ハンニバル「必ずダスティを治して見せる。全力を尽くす。」

ルシール「うん。必ず助けて。」

と、夫は手術室へ。

 

手術室では夫をはじめとした医師たち、看護師たちがスタンバイ。息子は痛み止めと安定剤で眠っています。

夫は息子の体を触って調べ、容体を確認。すぐに体を消毒をして、全身麻酔をかけました。

手術は息子の腹部にメスを入れて、腸の悪い部分を治療しました。息子は口に人工呼吸器をつけられて、夫たちによる手術に歯を食いしばってがんばりました。

手術は10時間前後の大きな手術でした。その後はICUで治療を受けることになります。

腸閉塞は重い症状では命にかかわるので、予断を許さない状況です。ICUではしばらくは家族は入ることができないので、医師や看護師しか入れません。ただ、夫は医師をしているので、入ることができますが。

ICUの中では夫たちが息子を治療。息子は手術を受けた時の人工呼吸器をそのままつけています。

私と娘2人はガラス越しに息子の回復を祈る以外ありませんでした。

ルアンナ「神様、ダスティを助けて下さい…。」

上の娘は泣いている下の娘を抱き合いました。

 

手術から3日後に息子の意識が回復し、危険な状態から脱することができました。

ハンニバル「ルシール、ジャニス、ルアンナ、ダスティはもう大丈夫だ。」

ルアンナ「よかった…。」

 

そして、初めて息子との面会に。人工呼吸器から酸素マスクに切り替え、しゃべることができます。

ルシール「ダスティ…。」

ダスティ「…ママ、お姉ちゃん…。」

ハンニバル「ダスティ、痛むか?」

ダスティ「…ううん。パパ、ありがと…。」

ハンニバル「よくがんばったな…。」

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息子はベット越しで泣きました。父親に治療してもらったことが、何よりもうれしかったんだと思います。

 

その後、息子は順調に回復し、1か月後に退院しました。術後の経過も順調で、2週間後には食事ができるほどに回復しましたね。

退院から1か月間は自宅療養をし、遅れている勉強をしながら、体の回復に専念しました。そして、1か月後に学校に復帰しました。

 

あれから2年。息子は大きな病気をしたとは思えないほどに元気です。「梅の実」の日本のメンバーたちに教えてもらった納豆が大好きで、1日1パックは欠かさずに食べています。ニュージーランドのスーパーでは日本食のコーナーがあり、納豆も売っています。娘2人も日本食が大好きです。

ニュージーランドではイギリスの文化を受け継いでおり、食事も西洋のテイストがメインですが、最近では健康志向で、日本食を食べるニュージーランド人が増えています。私たち家族も日本食にシフトしましたね。たまにニュージーランドの食事も食べますが。

上の娘は医師を目指して勉強していますが、将来は父のような消化器外科の医師ではなく、美容皮膚科を目指しているそう。下の娘は音楽が好きで、友達とバンドを組むのが目標だそう。将来はアーティストを目指しています。

息子は大きな病気がきっかけで、医師を目指して勉強をしています。将来の医師像は父親。子どもは親の背中を見て育ちますからね。

 

そんな3人の子どもたちの成長を見守りつつ、私も夫も成長していきたいです。

 

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