梅の実学園の仲間たち

梅の実学園のメンバー(生徒)たちの物語です。現在のメンバーたちは4800人(匹)!!みんなで作る学園です!!

チャットジャッジ~大学無償化は必要?不要?~

こんにちは。和幸(高1)です。

今月のチャットジャッジはこのお題です。

 

「大学無償化は必要?不要?」

 

本の学校の教育費ですが、義務教育である小学校と中学校(義務教育学校・中等教育学校(前期課程)・特別支援学校(小学部・中学部)も含む)は無償(私立は教科書代のみ)。現時点で義務教育でない幼稚園・保育園・高校(子ども園・中等教育学校(後期課程)・特別支援学校(幼稚部・高等部)も含む。無認可保育所高専などは除く)は低所得世帯など一部世帯のみ無償です。

大学ですが、現時点では有償で、本人または保護者が学費を負担しなければなりません。経済的に学費の負担が困難な場合は奨学金がありますが、完全無償は成績優秀者のみの特待生だけで、多くの学生たちは大学卒業後に奨学金の返済をしなければなりません。

共産党などの野党では大学の無償化を訴えていますが、自民党などの与党ではこれを無視。海外では大学の無償化を行っているのに対し、全く遅れている日本。これでは子どもの貧困はさらに加速化するばかりです。

 

そこで、大学無償化が必要なメンバー4人と不要なメンバー4人をパネリストに迎えて議論したいと思います。

ファシリテーターはぼく・和幸です。ぼくの家は父親が大手機械メーカーの製造職、母親が通販会社の派遣の電話受付、きょうだいは中学生と幼稚園児の妹がいます。経済的に裕福な家ではなく、経済支援が必要なのですが、学校の無償化は中学生の妹のみで、ぼくと幼稚園児の妹は対象外です。理由は父親が安定した大手企業に勤務していることと、母親がパートよりも給料の高い派遣社員で、両方の収入の合計が無償化の対象から外れてしまっています。大学進学は国公立でないと厳しいです。

必要派メンバーからは桃代(高1)、早百合さん(大学2年)、沙和子さん(45歳・惣菜店パート)、京作さん(44歳・大学職員)です。不要派メンバーからは光一(高1)、和芳さん(大学4年)、佐紀子さん(46歳・主婦)、原田先生(64歳・大学教授)です。

メンバーは大学受験を希望する高校生、当事者である大学生と大学生の子どもを持つ親、大学の教員・職員で選出しました。

 

まずは必要派メンバーからのプレゼンです。

>私は親の経済的理由で、高校受験は公立以外認めてもらえませんでした。私の家では高校の授業料が無償の対象になり、経済的にとても助かっています。しかし、大学進学は特待生を目指すか、自分で稼ぐんだったら認めますが、大学の学費負担は拒否されました。特待生はよほど学校の成績が優秀でないと難しいですし、自分で学費を稼ぐのは相当以上の苦労をしなければなりません。男子では肉体労働の選択肢がありますが、女子は難しく、水商売や風俗しか高い給料を稼ぐ仕事がほかにないです。大学が無償になれば、誰でも入ることができるし、将来の視野が広がっていきます。(桃代)

>ウチは都内の女子大に通っています。学費は親が払っていますが、大学の寮の費用などの生活費は自分で工面しています。収入は奨学金と飲食店のバイトだけです。大学の無償化を実現すれば親の負担が減っていきますし、卒業後に奨学金の返済をしなくて済みます。就職活動で希望通り就職できればいいのですが、就職できずにフリーターとかだったら、奨学金の返済が地獄になるので、本当に嫌です!!(早百合)

>私は大学生の息子(基樹・大学1年)を持つ母親です。息子の大学の学費は夫と私の収入でやりくりしています。息子が通う大学は私立で、しかも理系なので、学費が非常に高いです!!息子は奨学金を受けているので、卒業後の返済もあります。大学の無償化が実現すれば、私も夫も経済的負担がなくなります。海外では大学の無償化になっている国もあるのに、日本はすごく遅れています。(沙和子)

>私は都内の女子大の職員をしています。現在は入試広報を担当していますが、これまでは学生課や就職課などを歴任しました。うちの大学でも経済的理由で奨学金とバイトで学費のやりくりをしている学生がいます。大学が無償化になると、教員や看護師、薬剤師など、大学でないと資格が取れない学問が誰でも学べることができます。高卒でも学科によっては看護師や介護福祉士、保育士をとることができますが、収入の面では大卒と高卒とでは明らかに差がありますし、社会保険労務士建築士など、高卒では実務経験が必要な資格もあります。そうなってくると、大学の必要性はますます重要になってきます。それと同時に、大学進学者を増やすことにもなります。(京作)

 

他のメンバーからの意見があります。

>私が住むアイスランドでは大学の学費が無償です。アイスランドでは大半が国公立で、私も通っています。大学の無償化アイスランドのほかに、ノルウェーフィンランドなどの北欧、ドイツなど。ヨーロッパ以外では南米のキューバも大学が無償です。ヨーロッパはご存じのとおり、税金がかなり高いですが、福祉・教育の支援はとても充実しています。(アリサ・21歳)

>オレは大学を卒業後に就職をしましたが、半年後に会社が倒産されて、同時に解雇されました。今はコンビニなどでアルバイトをしていますが、厄介になっているのが、大学時代にもらった奨学金の返済。約100万円以上の「借金」を自分で返済をしています。少ないバイトの給料ではとてもではないですが、厳しいです。大学の友人の中には奨学金の返済ができなくて、強制執行されました。奨学金でも給付型の奨学金があると、返済せずに済むのに…。(又三・25歳・フリーター

 

不要派メンバーからの反論です。

>ぼくは大学の無償化は必要ないです。大学へ行くのは自由ですから。(光一)

>貧困世帯の方には悪いですが、大学はお金がないと進学ができないですよ。本当に行きたいんでしたら、時間をかけて自分で稼いでから行くか、海外の大学に行くしかないですね。(和芳)

>日本では財政難ですので、幼稚園や高校などが無償にするだけが精いっぱいです。大学までは回らないと思います。(佐紀子)

>大学の無償化は必要ない。私立では経営が悪化するだけ。(原田)

 

次は不要派メンバーからのプレゼンです。

>ぼくは高校生ですが、将来は大学進学予定です。ぼくは小学校から高校まで私立で、その授業料も親が出しています。大学進学の費用も親が負担します。ぼくの家はお金を持っているので、奨学金も必要はありません。大学はお金を持っている人が入るための学校なので、お金のない人は行く権利はないと思います。高校卒業したら、就職すればいいのですから。(光一)

>オレは都内の私立大学の医学部に通っています。学費は親が負担しています。大学は幼稚園や高校と同様、義務教育ではないです。しかも、高校卒業した人たちは大学に進学する人は6割ほど。あとは専門学校に進学したり、就職する人もいます。大学受験に失敗して浪人する人もいます。ちなみにオレも現役時に大学受験に失敗し、浪人を経験しました。全員が全員大学に進学するとは限らないのに、大学を無償化にするのはちょっと…って思います。(和芳)

>私は大学生の息子(裕一・大学2年)の母親です。息子の学費は主人(圭造・47歳・鉄鋼会社勤務)が負担していますし、私立中学に通う下の息子(裕也・中3)の学費も主人が負担しています。学校の教育費は国が全く負担していない反面、費用が世界一高いです。しかも大学は義務教育ではないので、全員が必ずしも大学に行くとは限りません。大学進学は高校を卒業した生徒だけでなく、短大や専門学校を卒業した学生や社会人も進学します。特に社会人は社会人入試で大学に進学している人もいますし、大学通信教育部も充実しています。昼間に大学に進学するのも、おうちで大学の勉強をするのもすべて個人の自由だと思います。(佐紀子)

>日本各地に大学がありますが、多くの学生たちは遊んでいるやつらばかり。そんなやつらに大学を無償にしろなんて甘っちょろい考え方、通用するわけない。共産党などの野党が国会で訴えているけど、安倍首相をはじめとした自民党はそんな考えはみじんもない。むしろ現状維持が今の考え方。高校無償化も当初は廃止にしようとしたくらいですから。(原田)

 

他のメンバーたちの意見があります。

>アメリカは日本と同様、大学の無償化はしていません。しかし、給付型奨学金があるため、経済的に苦しい人でも、事実上は無償です。他には新興国の中国や韓国、ヨーロッパなど、多くの国では給付型奨学金を採用しています。(カトリーヌ・19歳)

>ぼくは大手メーカーで営業をしています。大学進学ですが、親が負担してくれました。社会人になった今は、給料の一部を親に渡しています。大学進学の費用を負担してくれたので、社会人になったら恩返しをしたいと考えていたからです。日本では大学の学費は保護者が負担するのが主流で、大学の学費支援は貸与型の奨学金しかなく、卒業したら返済をしなければなりません。海外のように給付型の奨学金は企業などが運営するなどごく一部がやっています。本当に大学が進学したいなら、給付型の奨学金をいろいろ検討しながら考えるべきだと思います。大学は社会人になってからでも入ることは可能です。知り合いが高校卒業後に大学に進学できなくて、一般の会社でお金を稼いでから大学に進学した人もいますから。(昌孝・26歳・メーカー勤務)

 

必要派メンバーからの反論です。

>給付型の奨学金はごく一部の人しか受けることができません!!多くの生徒たちは大学進学を阻んでしまいます!!大学の無償化は必要です!!進学の夢をあきらめさせないで!!!(桃代)

>多くの学生は貸与型の奨学金をもらいながら大学に通っています。就職ができなかったら、返済をしなければならないのはウチらです!!(早百合)

>親の経済的理由で大学等の進学をあきらめさせた親子が多く存在します。子どもの才能は大学等の進学でないと伸びない子もいます。政府は低所得の高齢者に3万円を配るよりも、その分を国公立大学の無償にすべきではないでしょうか?軽減税率なども含めて、税金の使い方が無駄なように思います。(沙和子)

>今の教育システムでは限界があります。ヨーロッパのように幼児教育から高等教育まですべて無償にするか給付型奨学金を拡充して、誰でも受けれるような教育支援が必要だと思います。社会人でも給料が下がったり、フリーターを余儀なくされたりすると、大学進学が困難になってしまいます。(京作)

 

以上で終了です!!

ここでぼくがジャッジします。

結論は…現時点では給付型奨学金の拡充を!!将来的には大学無償化にすべきです!!

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日本は財政難なので、幼稚園等の幼児教育は無償化でも低所得世帯などごく一部しか対象にしていません。高校でも民主党政権では全員無償になったのが、自民党政権では幼稚園等と同様に、低所得世帯などに対象が縮小されました。教育以外に社会保障や医療、福祉など、多くの財政が必要になってきます。

大学の場合、現時点では、海外の多くの国で採用している給付型奨学金を新設して、社会人時に奨学金返済をせずに済む制度を作るべきです。将来的には大学を無償化にして、保護者の負担を減らすべきです。

 

今日はチャットジャッジ・第34回目「大学無償化は必要?不要?」をお送りしました。

 

*参考リンク*

大学学費の無償化を訴えていた武藤貴也議員。日本の教育はこんなに異常 (SOCIUS101):http://socius101.com/the-real-of-muto-takaya-vol-2-post-3208-2/

主張/世界一高い学費/国際公約を守って無償化へ(BLOGOS):http://blogos.com/article/81548/

40歳フリーター奨学金を返せず自己破産 大学費用無償化について(Spotlight):http://spotlight-media.jp/article/114273336207663051

ネット視聴ではなく…本当に無料で行ける海外の大学(NEVERまとめ):http://matome.naver.jp/odai/2143709051003674401

[特集]Interview●千葉大学名誉教授三輪定宣先生に訊く学ぶ幸せをつかみとろう─学費無償化は世界の流れ(全日本民医連):http://www.min-iren.gr.jp/ikei-gakusei/igakusei/zi5_medi/045/mw-toku-45.html

 

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