梅の実学園の仲間たち

梅の実学園のメンバー(生徒)たちの物語です。現在のメンバーたちは4800人(匹)!!みんなで作る学園です!!

チャットジャッジ~子ども食堂は必要?不要?~

こんにちは。名保美(中3)です。

今月のチャットジャッジはこのお題です。

 

子ども食堂は必要?不要?」

 

子ども食堂とは、貧困の子どもを対象に食事を無料または500円以内で提供をするボランティア型の食堂で、子どもの貧困問題がクローズアップされてから、全国に増えてきました。

しかし、本家である子ども食堂は貧困の子どもが対象ではなく、子どもからお年寄りまで気軽に通えるコミュニティースペースであり、貧困の子どもを対象とした子ども食堂では貧困ではない普通の子どもや親が通っており、本来の目的がなされていないように思います。

 

そこで子ども食堂は必要というメンバー4人と不要というメンバー4人をパネリストに迎えて議論したいと思います。

ファシリテーターは私・名保美です。私の家は母子家庭で、母親(利砂子・40歳・保険会社勤務)は仕事が忙しくて、食事はほとんど作ってくれません。地元に子ども食堂がありますが、一度も行ったことがありません。

必要派メンバーからは明日(小5)、正和(中3)、則子さん(37歳・メーカー勤務)、三和子先生(47歳・養護教諭)です。不要派メンバーからは美沙希(小6)、桃代さん(高1)、理代さん(28歳・主婦)、孝明先生(23歳・高校教師)です。

それぞれ小学生、中高生、高校生までの子どもを持つ親、学校や保育の関係者で選出しました。

 

まずは必要派メンバーからのプレゼンです。

>私の家は母子家庭でお母さん(日奈子・45歳・スーパーパート)が仕事をしながら私を育てています。食事はお母さんが作ってくれますが、月に1回に地元で子ども食堂が開いており、お母さんと一緒に行って食べています。味はとてもおいしくて、しかも無料なので、親子ともに満足しています。私のように母子家庭や貧困の子どもが多いので、子ども食堂は増やしてほしいです。(明日)

>ぼくは子ども食堂は行ったことがありませんが、友達が地元の子ども食堂に行って、タダで飯を食わせてくれるからよかったって言っていました。中学生はバイトはできず、親からもらうお小遣いも限られているので、行ける飲食店はファミレスとファストフードだけですが、それでも高いです。無料の子ども食堂があるとタダでご飯が食べられるので、行ってみたいです。(正和)

>私は2人の子ども(真知子・中1&英男・小5)を持つ母親で、仕事をしながら子育てをしています。私自身、主人(勇男・39歳・公務員)と子どものために料理を作るのは本当に嫌で、毎日献立を考えるのにもイラっとします。平日の昼は子どもは学校給食、主人は外食、私は社食があるのでまだましなのですが、朝と夜、休日は自分で料理を作らなければならないので、本当に困ります。子ども食堂があると主人や子どもにご飯を食べさせることができて、私自身もおいしいご飯が食べられて、しかも自分で料理を作らずに済むので、主婦にとっては本当に助かります!(則子)

>私は広島県内の公立中学校で養護教諭をしています。保健室ではけがや病気、その他の理由で毎日生徒が訪れますが、中には貧困や親のネグレストで食事がとれていない生徒もいます。うちの学校では学校給食はなく、家庭の弁当持参とデリバリー式の弁当給食の選択制ですが、弁当給食を選択する生徒は少なく、大半が弁当持参です。中にはコンビニなどで買ってきたもので済ませている生徒もいます。食事がまともにとれていない生徒の親には家庭で食事を作るよう指導していますが、なかなかそうはいかないです。子ども食堂があると食事がまともにとれない子どもを救済する手段なので、地元にもっと増やしてほしいと思います。(三和子)

 

他のメンバーからの意見があります。

>ドイツでは子ども食堂があります。ドイツの場合は貧困救済のためではなく、家で食事がまともにとれない子どもを対象に実施しています。子ども食堂とは言っても、料理教室のようなもので、指導する大人とともに子どもたちも料理を作ります。作った料理は全員で食べるので、みんなで食べるととてもおいしく感じます。(ゲルベルト・18歳)

>日本では高齢者を対象に宅食サービスなどがあり、私もたまに利用しています。子ども食堂は利用したことがありませんが、子どもだけでなく、大人たちも利用することができるので、機会があれば利用したいですね。(庄三郎・87歳)

 

不要派メンバーからの反論です。

>親が食事を作るのを避けるために子ども食堂を利用しているように思います!そういう親は子ども食堂を利用する権利はないですし、本来必要な人たちの利用ができないように思います。(美沙希

>貧困の子どもは子ども食堂には行きづらいと思います!!子ども食堂に入ったという理由で学校でいじめられたり、近所の人たちに「この子は貧困の子よ」というレッテルを張られて、心を傷つけられる恐れがあります!!(桃代)

>貧困の子ども救済のための子ども食堂はあまり意味がないと思います。(理代)

子ども食堂の設置よりも親の就労支援や社会保障の充実など、抜本的な貧困対策をしない限り、貧困の根本的解決はないと思います。(孝明)

 

引き続き、不要派メンバーからのプレゼンです。

>私自身は子ども食堂は行ったことがありませんが、兄(翔太・中2)の話では最初に作った子ども食堂は子どもから大人まで気軽に通えるコミュニティ的な食堂であると聞きました。もともとは子どもの孤食問題のために作られたそうですが、いつの間にか貧困の子ども問題のために作られたとマスコミが報道され、やがて全国で子ども食堂が作られました。しかし、多くの子ども食堂は大人たちの自己満足に作っているとしか思えず、貧困の子どもは子ども食堂には行きにくいです。子ども食堂=貧困の子どものイメージがあるので、貧困の子どもは子ども食堂には行かないと思います。貧困は子どもだけが貧困とは限りませんから。(美沙希

>私の家は貧乏で、食事は母親が作りますが、満足するものではありません。子ども食堂は貧困の子どもが対象となっていますが、貧困の子どもが子ども食堂に行くのはごく一部で、多くが貧困ではない普通の子どもとその親が子ども食堂に通っています。貧困をはじめ、虐待や性被害、家庭不和など、劣悪な家庭環境で育った子どもは子ども食堂は行きにくく、子どもの貧困解決にはなっていないと思います!高齢者のように宅配で食事のサービスをするなど、違う形でやった方がいいと思います。(桃代)

>私は専業主婦をしていますが、家族のために毎日食事を作っています。子ども食堂はすばらしいサービスだと思いますが、普通の飲食店のように都道府県(または政令指定都市)に届け出をする義務がないため、食品の衛生管理には疑問があります。普通の飲食店の場合は調理師や栄養士などの調理の資格を持っている人は都道府県に営業許可を申請するだけですが、調理の資格を持っていない場合は食品衛生責任者の資格を取得しなければなりません。その後は都道府県に営業許可を申請しなければなりません。子ども食堂の場合は、某コンビニではお弁当を作る工場が食品衛生管理者の資格があり、衛生管理は徹底していますが、多くがボランティアでやっている子ども食堂は営業許可の申請をしていないため、万一に食中毒が発生した場合は責任はどうするべきなのでしょうか!?食中毒は子どもの命に関わることなので、衛生管理や調理の資格者の義務化についても考えなければならないと思います。(理代)

>ぼくは神奈川県内の公立高校で教師をしていますが、生徒の多くが家庭環境が悪いところで育っています。中には食事がまともにとれない生徒が多くいます。子ども食堂は子どもの貧困のために作られたものですが、中学生や高校生になってくると、子ども食堂は行きにくく、貧困の解決にはなっていないです。あと、貧困は高校生までの子どもだけでなく、大人の貧困も深刻です。最近では大学の学生を対象に朝食を提供をしたり、大学版「子ども食堂」を作った大学まであります。社会人になってくると定職に就けない人が多く、引きこもりをする人も増えています。最近では30代以上の方の孤独死が急増しており、抜本的な対策はしておりません。子どもの親をはじめ、大人たちの貧困対策をしない限り、貧困の根本的解決にはならないと思います。(孝明)

 

他のメンバーからの意見があります。

>アフリカでは子ども食堂なんてありません。アフリカは各国で貧困や飢餓が多く、食事もまともにとれない人が多く、早死にしてしまう人が多いです。アフリカをはじめ、中南米や東南アジア、中東などの発展途上国では貧困が多く、先進国が中心となって支援をしなければなりません。(マハブフ・さる・♂3歳)

>子どもの貧困よりも大人の貧困の方を優先すべきだと思います。オレは発達障がいがあり、転職を繰り返しているので、まともに就職ができない状態にあります。もちろん結婚して家庭を持つこともできません。大人たちの多くが非正規社員だったり、ブラック企業の社員だったりだと、長続きすることは難しく、貧困が進んでしまいます。また、障がい者は健常者よりも就職が困難で、自立さえも難しいです。最近では一部の大手企業が45歳以上のリストラを実施しているので、今後定職に就けない人はさらに増加します。食事がまともにとれない大人たちも多く、子ども食堂はそういった大人たちを救済すべきではないでしょうか?(叶二・38歳・フリーター)

 

必要派メンバーからの反論です。

子ども食堂はお母さんとなら行けますが、一人では行けないです。一人で子ども食堂に行ったら学校でいじめられるし、貧困の子どもって言われるのはすごく嫌です!!(明日)

>確かに中学生同士では行きにくいかも。子ども食堂は有料のところもありますから。(正和)

>家で料理をしなくて何が悪い!?家で料理をするのは面倒だし、他人が料理を作ってくれた方がおいしいし、楽だから、自分で料理をするなんてありえない!!そういった母親たちを救済すべきだと思う!!(則子)

>確かに貧困は大人たちが生みましたからね。子どもはアルバイトや芸能活動をしない限りは働くことはないですし、家族の生計を立てるべき親たちの就労支援は必要だと思います。子ども食堂は大人たちも通いますから、別の名称に改めるべきだと思います。(三和子)

 

以上で終了です!!ここで私がジャッジをします。

結論は…子ども食堂は必要ですが、違う形でリニューアルをすべきだと思います!!

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子ども食堂は貧困の子ども関係なく、誰でも通える形の方が理想です。子どもだけでなく、大人も気軽に通えて、その中で人と人とのコミュニケーションが生まれる食堂作りが一番です。

ボランティアの形であろうとも、食品を扱うので、衛生面や安全面の問題も必須だと思います。飲食店では調理の資格者が届け出をする必要がありますが、子ども食堂にはそれがなく、万一に食中毒が発生したら責任が取れません。飲食店と同様に届け出の義務化をする必要があります。

あと、子ども食堂は必ずしも貧困対策にはなっていないこと。貧困を生んだのは今の日本政府の政策が既婚・未婚関係なく、大人たちを貧困に陥れ、生活が苦しくなっています。未婚の大人たちの孤独死や結婚問題も含め、大人に対する就労支援や社会保障の充実をしない限り、貧困はますます増えていくだけです。

 

今日はチャットジャッジ・第66回目、「子ども食堂は必要?不要?」をお送りしました。

 

*参考リンク*

ウィキペディア子ども食堂):https://wpedia.goo.ne.jp/wiki/%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E9%A3%9F%E5%A0%82

名づけ親が言う 「こども食堂」は「こどもの食堂」ではない(YAHOO! JAPANニュース):https://news.yahoo.co.jp/byline/yuasamakoto/20160724-00060184/

想像と違った!「こども食堂」の本当の意義(東洋経済ONLINE):https://toyokeizai.net/articles/-/120355

全国に急拡大する「子ども食堂」に、いま圧倒的に足りないもの(現代ビジネス):https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55204

ウィキペディア食品衛生責任者):https://wpedia.goo.ne.jp/wiki/%E9%A3%9F%E5%93%81%E8%A1%9B%E7%94%9F%E8%B2%AC%E4%BB%BB%E8%80%85

飲食店を開業するために必要な許可ってどんなもの?(行政書士法人シグマ):https://sigma-office.jp/inshoku-kaigyo_kyoka/

まちづくりのススメこども食堂(全日本民医連):https://www.min-iren.gr.jp/?p=33117

子ども食堂 食中毒注意、厚労省自治体に通知(日本経済新聞):https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32690210W8A700C1CR0000/

食のプロジェクト「子ども食堂」 (ドイツニュースダイジェスト):http://www.newsdigest.de/newsde/regions/reporter/leipzig/5247-958/

 

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