こんにちは。賢助（27歳・飲食店勤務）です。
今月のチャットジャッジは、前回に引き続き、新型コロナ関連のお題です。
「新型コロナの補償は必要？不要？」
今年の1月から世界的大流行となった「新型コロナウイルス」。それによる感染症で多くの方が感染し、中には亡くなった方もいました。感染者の中には国内外の有名人たちも感染しました。
日本では3月の後半ごろから東京を中心に爆発的な感染者が増加し、亡くなった方も多数います。これを受け、政府が東京や大阪など7都府県が「緊急事態宣言」を発令され、のちに全国にも拡大しました。
緊急事態宣言を発令された地域では、サービス業を中心に休業となり、仕事を休まざるをえなくなってしまった方が増えました。しかし、政府は仕事を休まざるをえない人たちに対する休業補償給付を新設したものの、いろいろな条件があって保障さえもらえない人たちが多くいます。
ここで新型コロナに対する休業補償は必要というメンバーと不要というメンバーをそれぞれ4人ずつパネリストを迎えて議論したいと思います。
ファシリテーターはぼく・賢助です。ぼくは福岡県内のチェーン店の飲食店の店長をしています。福岡も緊急事態宣言を発令し、解除されるまでの間は店が休業となりました。
必要派メンバーからは賢一郎（25歳・メーカー勤務）、アンナさん（29歳・ダンサー）、彩佳（25歳・飲食店アルバイト）、古木さん（58歳・メーカー経営）です。不要派メンバーからは青田さん（34歳・商社勤務）、美恵子さん（36歳・主婦）、日奈子さん（45歳・スーパーパート）、野山さん（62歳・鉄鋼会社勤務）です。
それぞれ会社員、子どもを持つ親、アルバイト・パートなどの非正規社員、会社の経営者・役員で選出しました。
まずは必要派メンバーからのプレゼンです。
＞ぼくは必要だと思います！ぼくは中小企業で働いているので、テレワークも時差通勤も認められず、毎日いつものように会社に行かなければなりません。いっそ会社を休んで、休業時の補償をしてもらわないと、ぼく自身もコロナに感染するし、周りも感染すると思います。緊急事態宣言を発令しても、いつものように会社へ行くようじゃ意味がないと思います！！（賢一郎）
＞私はダンサーをしています。この新型コロナのせいで、予定していたイベントが中止になり、経済的に困窮となりました。一応私が主宰するダンススクールは営業をしていますが、密閉した環境下では感染のリスクが高いため、スクールの生徒さんが格段に減少しました。私は娘（レナ・3歳）を育てているシングルマザーなので、自分の仕事がなくなってしまったら生活ができなくなります！今すぐに金銭保証をしてほしいです！！（アンナ）
＞ウチは都内のカフェでアルバイトをしています。新型コロナのせいで、店の客が減少し、緊急事態宣言を発令されたせいで、店が休業となりました。従業員は全員解雇はせず、店の再開まで休むことになりました。休業補償は店に関しては補償がありますが、従業員に対しては補償がありません。特にウチはバイトなので、いつクビになるかわからないし、失業してもお金が欲しいです！！（彩佳）
＞わしは鳥取県内で会社を経営しています。鳥取は4月になってから感染者が増え、のちに緊急事態宣言を発令されました。その影響で休業となってしまったら、会社がつぶれてしまいます！！会社、特に中小企業や自営業に対する補償をしないと、倒産が相次ぎます！！（古木）
他のメンバーからの意見があります。
＞私が住むスペインではイタリアに次いで感染者数が多く、亡くなった方も多数います。国境が封鎖され、外出もほぼ禁止にされています。スペインではこういった事態になってしまったため、政府が「ベーシックインカム」を実施することが決まりました。早ければ全国民に給付されます。（遠山・47歳）
＞ぼくは発達障害があり、仕事が長続きできません。生活保護をもらいながら、地元の作業所に通っていますが、新型コロナが怖くて、緊急事態宣言後に作業所の通所はいったんやめています。生活保護では今の生活がかつかつで、正直言って生活ができません。地方では住民税非課税世帯と変わらないくらいの生活を強いられている人もいます。生活保護受給者に対する補償もしてほしいです！！（佑介・26歳）
不要派メンバーからの反論です。
＞生活保護受給者に金銭保証の必要はない！！やつらは国の金で生活をしているから、何も金を渡さずにそのまま野垂れ死にすればいいわ！！嫌だったら働け！！（青田）
＞近所の友達に母子家庭で働きたくても働けない人がいます。母子家庭に対する補償はしてほしいですが、他の世帯は補償してほしくないですね。（美恵子）
＞ベーシックインカムは日本ではありえないです。ベーシックインカムの実施は消費税を増やさなければならなくなると思います。私は消費税増税には反対です！！（日奈子）
＞今の安倍政権に金銭の補償はあり得ないですね。海外とは逆のことをしていますから。（野山）
引き続き、不要派メンバーからのプレゼンです。
＞私は大手企業で働いているし、テレワークも可能だ。在宅で働いていても給料は必ずもらえるし、生活の保障はある。生活の保障のない非正規社員や中小企業の人間などは会社に行かなければ給料はもらえない。国に補償が欲しいというやつはあきらめて働くんだな！！（青田）
＞私は専業主婦をしていますが、収入は夫（正章・36歳・メーカー勤務）だけなので、基本的に働くことはありません。共働きの世帯は母親も仕事に行かなければならないので、すごく大変です。休業補償は子育ての世帯はやるべきだと思いますが、そうじゃない世帯は申し訳ありませんが、あきらめてもらいたいです。海外のようにベーシックインカムのほうがいいのですが、今の政府がやるわけないですし、その予算もないので、難しいと思います。（美恵子）
＞私は一人娘（明日・小5）を育てながら、今のスーパーでパートをしています。今の政府は一人一人の国民に休業補償はしないと思います。私は生活が困窮した人には生活保護を受けたほうがいいと思います。生活保護は今を生きる上では最後の砦で、高齢者や障がい者、ひとり親家庭、病気で働けない人たちが利用しています。もし私が病気や障がいで働けなくなり、子どもを養えない場合は生活保護を利用して、一日でも早く社会復帰をしたいと思っています。生活保護はいろいろとバッシングが多く、受けること自体が恥だと思っている人もいますが、今はそれどころではないと思います。（日奈子）
＞会社では大手企業は一部を除き、経営的に問題はありませんが、中小企業や自営業、個人事業主は明日生きるか死ぬかの問題で経営している人が多いです。イベント中止などで同じ個人事業主でも芸能人やスポーツ選手も苦境に立たされています。政府は中小企業・自営業には200万円、個人事業主には100万円の金銭保証を発表されました。中小企業等には金銭保証して、地域を活性化してもらいたいです。個人の補償ですが、数が多すぎて難しいと思いますね。（野山）
他のメンバーからの意見があります。
＞アフリカ大陸ではコロナに感染しても、医療体制が整っておらず、亡くなる方が増える恐れがあります。もともとは生活が困窮している国が多く、国民に対する金銭保証はありません。アフリカなどの南半球はコロナに感染する人は北半球に比べて少ないですが、これから冬（北半球は夏）になってくると、感染者が増えてくるので、先が怖いですね。（イマニュエル・54歳）
＞私は耳に障がいを持っています。失業で働けなくなったときは失業保険や障害年金を受けていました。障がい者は健常者に比べて働くことが困難で、就職さえも難しい人も多いです。新型コロナで解雇された障がい者も多くいるので、失業保険や障害年金、生活保護を受けることも一つの選択肢だと思います。（頼子・29歳・メーカー勤務）
必要派メンバーからの反論です。
＞青田さんはテレワークをやっていませんよね！？ぼくは外回りの時に青田さんが会社に入るところを見ました。それに、生活保護を悪く言うのはやめてもらいたい！！ぼくの知り合いも生活保護を受けている人がいるので、青田さんのようなネトウヨや生活保護を批判するやつらはネットなどで批判しないでほしい！！本当に受けれない人が増える恐れがあります！！（賢一郎）
＞私自身もシングルマザーですが、生活保護を受ける気はありません。生活保護を批判するつもりはありませんが、元夫からの養育費をもらっているので、そこまで受ける必要はないかなって思います。（アンナ）
＞ウチは親が働いているので、家の生活は何とかなっていますが、自分が働かないと親も冷たい目で見られるので、個人の補償が欲しいです！！（彩佳）
＞政府の補償はあてにならないですね。いろいろと条件があるみたいですし。（古木）
以上で終了です！！ここでぼくがジャッジをします。
結論は…個人・企業ともにちゃんとした補償を新設すべきです！！
個人には1人一律で10万円、企業には中小企業等は最大200万円まで、個人事業主は最大100万円までとなっていますが、申請によるトラブルが生じ、補償をもらえるのがすごく遅れています。特に企業等の給付金は某大手企業への再委託が起こっているため、大きな問題となっています。
現時点では失業保険や生活保護を受ける以外ないと思います。もし何かあった場合、一番最後のセーフティーネットなので、本当に生活が苦しいときは必ず申請したほうがいいと思います。障がい者は障害年金、ひとり親世帯は児童扶養手当を受ける権利がありますし、恥をさらす必要はないと思います。
将来的にはスペインのようにベーシックインカムの導入の必要がありますが、その際は消費税を大幅に上げなければなりません。現在は10％ですが、ベーシックインカムを導入する際は最低でも20％以上は必要です。ヨーロッパでは福祉が充実している分、税金は大幅に高いです。今の日本ではベーシックインカムの導入は不可能で、消費税増税に反対している人にとってはこの実現は難しいです。
今日はチャットジャッジ・第76回目「新型コロナの補償は必要？不要？」をお送りしました。
＊参考リンク＊
＜新型コロナ＞自粛事業者への休業補償は？ 似て非なる「給付金」あり（東京新聞）：https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/economic_confe/list/CK2020040902100006.html
＜新型コロナ＞１０万円給付 自己申告制 世帯ごと書類返送 来月の支給目標（東京新聞）：https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/economic_confe/list/CK2020042102100007.html
持続化給付金「再々々々委託」 政府も全容把握できず（時事ドットコム）：https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061001067&g=pol
スペインで「ベーシック・インカム」導入、経済大臣が宣言（Forbes）：https://forbesjapan.com/articles/detail/33596
ベーシックインカムによって「超増税」社会が来る?! （日経Biz Gate）：https://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXZZO3462346027082018000000
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