*前回の記事はこちら!→https://umenomi-gakuen.hatenablog.com/entry/2021/03/02/140000
こんばんは。雛乃(23歳・看護師)です。
彩果(23歳・看護師)たちのコロナ感染騒動で、利音(23歳・看護師)がコロナに感染して、一時重症化となってしまった。その際、利音の見舞い目的で彩果と弥香(23歳・看護師)が病院を訪れ、ウチは希亜良(ねこ・♀5歳)と星羅(22歳・看護師)とともに彩果たちとケンカになり、縁を切った。その時ウチは彩果たちに「死ね」って言った。
*問題の記事はこちら!→https://umenomi-gakuen.hatenablog.com/entry/2021/01/15/160000
しかし、利音の退院当日に、彩果の先輩である早貴さん(27歳・看護師)が星羅を、翔祐さん(25歳・看護師)が希亜良をそれぞれ呼び出した。
理由はウチらがケンカをした次の日に彩果が自殺を図り、幸い大事には至らなかったものの、精神を病んでしまい、職場復帰が困難になった。
これを受け、彩果の両親が病院を訪れ、早貴さんと翔祐さん、彩果たちの上司の看護師長の3人がクレームをつけられ、「娘を自殺に追い込んだ犯人をクビにしろ!!」って要求された。両親からクレームをつけられた3人は早速犯人探しに追われていた。しかも、彩果の父親は国会議員で、気に入らない人間をクビにすることで有名な閣僚経験者だ。
事の重大さを知った早貴さんたちは彩果と一緒だった弥香に連絡をして、ケンカをした相手がウチら3人であることを突き止めた。
ウチは利音の退院の日に駆け付け、利音の退院を祝福をしたが、その時は星羅と希亜良の姿がなかった。
その時、星羅たちは早貴さんたちに呼び出されて、彩果の両親にクレームをつけられたことを告げられた。
勤務が終わり、星羅と希亜良がウチの部署を訪れた。
星羅「雛乃、ちょっといいかな…。」
雛乃「何?」
2人に呼び出されたウチは2人が案内した場所に行った。場所は彩果が所属する病棟で、そこには早貴さんたちがいた。
早貴「ちょっと話があるんだけど。」
雛乃「何ですか?」
早貴さんたちは彩果が自殺を図ったことと、彩果の精神的ダメージを与えたとして、彩果の両親が早貴さんたちのもとにやってきて、犯人探しを要求されたことを言われた。弥香はその犯人がウチらであることを言った。
雛乃「言ってないです!弥香がウソをついているだけです!!ほかに何の証拠があるんですか?」
早貴「あんたさ、彩果たちに対して、「死ね」って言ったでしょ。」
雛乃「言ってないです。」
翔祐「言ったよ!すでにこの2人に状況確認して、その事実を認めたんだ。」
ウチは星羅と希亜良に向けた。
雛乃「あんたたち!」
希亜良「ゴメン。翔祐さんにいろいろ聞かれてつい…。」
星羅「ウチも。早貴さんに問い詰められて。しかも、彩果の父親、政治家だよ!本当にヤバいよ!!」
雛乃「知ってたんですか!?彩果の親のこと。」
早貴「私も知らなかった。自分の親の職業のことなんて全く言わなかったから。」
翔祐「あんな世間知らずのお嬢様が親の職業なんて言うわけないだろ。職員のプライベートのことなんかお互い言わないからこっちも彩果の父親がどっかの会社の社長かと思ったけど、まさか政治家とは思ってもみなかったよ。」
早貴「とにかく、明日査問委員会があるから、3人とも出席するように。」
次の日、彩果の自殺未遂をめぐって、査問委員会があり、彩果の両親が出席した。病院側からはウチら3人とそれぞれの上司、早貴さんと翔祐さん、早貴さんたちの上司、病院の理事長や院長、事務の竹浦さん(43歳・病院勤務)、そして弥香が出席した。
彩果の両親は相当怒っており、ウチが軽い冗談だと言っても聞き入れてもらえなかった。
ウチの上司が彩果の両親に謝りなさいって言われ、一礼をする以外なかった。
政治家である彩果の父親はウチら3人をクビにしろと要求され、理事長たちはこれを受け入れてしまった。
処分は1週間後に言い渡されることになった。
本当にヤバいことになった。ウチは事の重大さに気付いてしまった。
翌日の夜、ウチら3人と早貴さん、翔祐さんの5人でリモートで話し合いをした。
~ここからはオンラインチャットによる会話です~
翔祐「まずいことになってしまったな…。」
早貴「そうだよね。あんたたち3人は処分されるけど、彩果の指導係でもあるうちら2人にも責任があるし。」
希亜良「そんな…。」
星羅「何とかならないですか!?」
早貴「ていうか、うちら2人は知り合いの政治家なんていないし。」
翔祐「雛乃、お前の父親(太造・58歳・大学教授)教授だろ。今回のこと話したほうがいいじゃないのか?」
雛乃「確かにウチの父は大学教授ですが、彩果の父親との絡みがないですし。」
弥香「あの、間に入っていいですか?」
早貴「どうぞ。」
弥香「彩果、入っておいでよ。」
雛乃「彩果!?」
弥香「すみません。昨日、5人が話しているところを勝手に盗み聞きして、こちらにたどり着きました。彩果、出ておいで。」
彩果「…。」
早貴「彩果!!」
翔祐「お前、大丈夫か!?」
彩果「うちの親が病院に来たのは本当ですか!?」
早貴「本当よ。昨日査問委員会があって、雛乃たちが病院をクビになるかもしれないの。」
彩果「そんな…雛乃たちは悪くないです!!悪いのは私です!!私が弥香と冬美(23歳・派遣社員)を合コンに誘ったのがいけなかったんです!!私が死ねばよかったんです。」
早貴「あんたさ、やっていいことと悪いことあるでしょ?」
彩果「合コンですか?」
翔祐「合コンもそうだけど、自殺をすることが一番ダメだってこと!!知ってるだろ?オレが小さいときに小児がんにかかって、過酷な闘病生活を送ったの。」
彩果「はい、知ってます。」
翔祐「オレが病気を乗り越えた時、命って本当に大事だってことを当時子どもの時に思った。今でもそう思う。雛乃たちとケンカしたときに、何でオレと早貴さんに言わなかった!?」
彩果「それは…誰にも迷惑かけたくなかったから。」
早貴「それは違う!!あんただけの問題じゃないと思う!!あんたを指導する立場である私と翔祐にも責任があるの。先輩だから心配して当然じゃない!!」
彩果「…。」
翔祐「彩果は世間知らずのお嬢様で時々ムカつくときがあるけど、自分にとって初めての後輩だったから、心を鬼にして指導をしてきた。でも、内心は素直だし、仕事は真摯に向き合っているのは知っているよ。今回のことは本当に心配した。もう死ぬなんて考えるなよ!!」
早貴「そうだよ!!みんな心配しているんだよ!!私にとって大事な後輩だから。」
弥香「彩果…。」
彩果「…私、辞めます…。」
早貴「え?今なんて言った?」
彩果「雛乃たちがクビにされるんだったら、私が病院を辞めます!!今回の件で雛乃たちを傷つけ、利音を傷つけた。周りのみんなを傷つけた。私が病院を辞めたら、うちの父も納得いくと思うし。あと、「梅の実」も辞めます!!あとで父に病院を辞めることを言います。」
みんな何も言えなかった。
このあと「梅の実」では彩果だけでなく、他のメンバーたちが相次いで辞めることを宣言する人たちが増えていくことをウチらは知ることになる。
ランキングに参加しています。ぽちっと押してください!