梅の実学園の仲間たち

梅の実学園のメンバー(生徒)たちの物語です。現在のメンバーたちは4800人(匹)!!みんなで作る学園です!!

コロナ後遺症

*前回の記事はこちら!→https://umenomi-gakuen.hatenablog.com/entry/2021/07/27/140000

こんにちは。可夏子(37歳・保育士)です。

新型コロナのクラスター感染が子どもたち(礼紋・小3&來夢・小1)が通う小学校で発生し、私たち家族をはじめ、生徒や教師、保護者などが感染し、1人が死亡した。

夫(典明・38歳・スーパー勤務)がコロナ感染で重症化となり、山梨の病院で入院。まだいまだに退院はできない。

私と子どもたちは無症状で、感染から2週間後に保健所から連絡が入り、何も症状がない場合は次から学校や職場に行ってもいいって言われ、PCR検査もしなかった。

 

明日から学校に行けると子どもたちは喜び、私もやっと仕事ができると聞いてうれしかった。

しかし、感染後はそんなに甘いものではなかった。

 

久しぶりに職場に復帰したときには、同僚や園児の保護者から冷たい目で見られた。

准子(53歳・保育士)「ちょっといいかしら?」

可夏子「はい。」

園長の准子先生に呼び出された。

 

准子「あなた、こないだの有給の時に何をしていました?」

可夏子「何でそんなことを言わないといけないんですか?」

准子「はっきり答えて!!」

可夏子「…近くのキャンプ場に出かけました。家族そろって。」

准子「何で外にお出かけに行ったの?」

可夏子「子どもたちが外に遊びに行きたいってずっと泣き叫んでいて、それでつい…。」

准子「うちの職場はこのコロナ禍の中、子どもを預ける保護者がいるんです。中には医療現場で働くお母さんが仕事のために子どもを預けているんですよ。それはわかっているよね!」

可夏子「はい…。」

准子「何であなたは子どもたちをガマンさせなかったの!?」

可夏子「いつもは学校と学童保育に預けていましたが、それが毎日学校と学童保育ばっかりなのが子どもたちがマンネリ化してて、どうしても外に遊びに行きたいってずっと泣き叫んで、制止できなかったです。何度もお願いしましたが、全然言うことを聞かなくて、もうどうすることもできなかったです!」

准子「子どもたちの気持ちはわかりますが、私たちは他の子どもたちと保護者のために仕事をしているんです。職員たちも外に出かけるのをガマンして休みの日にはずっと家で過ごしているんです。それをあなたは自分の子どもたちのためにガマンできなかった。違いますか?」

可夏子「…。」

准子「今日からあなたはしばらく休んでほしかったけど、他の同僚たちがまだ休んでいて、人手が足りないの。今日は目をつぶるから、ちゃんと仕事をしなさい。」

可夏子「ありがとうございます!」

園長からは人手が足りないことを理由に、仕事を続けてもらうことができた。

しかし、同僚の私の目が冷たかった。

 

周りから冷たい目で見られたのは私だけではなかった。

子どもたち2人もクラスメイトや保護者からいじめられ、泣いて帰ってきた。特に上の子(礼紋)の同級生の子の1人がコロナで親を亡くしたため、上の子のことを「人殺し!!」って言われた。

 

そして、これだけではなかった。

数日後に山梨の病院から連絡が入り、夫がコロナの重症から無事に回復し、ICUからHCUに移動になったときは本当によかったと安心した。

しかし、私が体のだるさや腕が上がらなくなり、軽いものを持っても落としてしまう。髪の毛もひどく抜けて、「え!?」とびっくりした。

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ネットで調べるとコロナの後遺症であることを知り、近くの病院で診てもらえるところを探したが、コロナの後遺症を専門的に見てもらえる病院はなく、そうじゃない病院でも診察を断られた。

 

コロナの後遺症は私だけでなく、子どもにも襲い掛かる。

上の子がお腹が痛いと言い出し、家にあった腹痛の薬を飲ませた。

しかし、薬を飲んでもまたお腹が痛いと言って、近くの病院に行ったが、軽い腹痛と診断され、薬を処方された。

しかし、処方された薬を飲んでもお腹の痛みが治まらず、今度は発熱や嘔吐、体に斑点ができた。

そして、腹痛があった3日後に急に息苦しくなり、どうすることもできず、すぐに救急車を呼んだ。

中央町にある大学病院の救命センターに運ばれて、上の子の応急処置をしてもらった。

 

検査の結果…「小児多系統炎症性症候群(MIS-C)」と診断された。

 

「小児多系統炎症性症候群」は全身に炎症を起こす病気で、新型コロナに感染した子どもに起こる重篤な病気だ。その当初は「川崎病」に似た症状だったが、川崎病は主に4歳以下に起こる病気。「小児多系統炎症性症候群」は9歳~14歳前後に起こるのが特徴だ。

多くが適切な治療をすれば回復するが、発見が遅れたら死に至る病気だ。日本ではこの病気の死者はいないが、海外ではこの病気で亡くなった子もいる。

上の子は幸い大事には至らなかったが、体の炎症を抑える薬を投与しなければならないため、しばらくは入院となった。

 

我が家では夫がコロナで入院、上の子がコロナの後遺症で入院となった。私自身もコロナの後遺症で家事がままならない状態となり、仕事もしんどい中、行かなければならなかった。下の子(來夢)だけが何の後遺症もなく、全く元気だった。

下の子が「ママ遊んで~。」って言っても、後遺症がひどくて遊んであげられない時があった。

 

そして我が家に襲い掛かる大事件がこの後起こるとは予想もつかなかった。

 

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