*前回の記事はこちら!→https://umenomi-gakuen.hatenablog.com/entry/2021/09/28/180000
可夏子(37歳・保育士)です。
私の家族がコロナに感染し、周りの人間がコロナに感染して、1人を死なせてしまった。
これを受けて「梅の実」では、私たち家族に無期限活動停止処分を受け、所属している西町チームのメンバー全員にも無期限のチーム活動禁止処分を受けてしまった。
あの感染事件から1ヵ月。夫(典明・38歳・スーパー勤務)が山梨の病院を退院し、上の子(礼紋・小3)が東京の病院を退院し、久しぶりに家族水入らずとなった。下の子(來夢・小1)もお父さんとお姉ちゃんが帰ってきたから大喜び。
久しぶりの我が家。みんなで楽しくご飯。家族全員がそろうと子どもたちも笑顔。
しかし、そんな幸せは長くは続かなかった。
私が今の勤務先の保育園を退職させられ、無職になってしまった。新型コロナのクラスター感染の責任を取っての「解雇」だった。
そして、幸せだった家族が崩壊してしまう大事件が起こった。
夫が仕事から帰ってきて、私を呼び出した。
典明「可夏子、あのさ…。」
可夏子「何?」
典明「お願いがあるんだ。」
可夏子「だから、何?」
典明「離婚してくれないか?」
可夏子「え…何で?」
典明「子どもの親権は君が持ったらいい。養育費は払わない。」
可夏子「嫌よ!!そんな勝手に決めないで!!私、職場を解雇されたし、これからどうしたらいいかわからない!!離婚はやめてほしい!!」
典明「うるさい!!もともと学校のクラスター感染を起こしたのはお前が悪いだろうが!!オレもコロナに感染して、死ぬ寸前だったし、礼紋も後遺症でつらい入院生活を送らなければならなかった。お前が礼紋と來夢のわがままを制止させなかったからこんなことになったんだ!!」
可夏子「それは私が悪かった。だけど…。」
典明「だけど何だ!!君は自分のことしか考えない薄情な女だ!!もう君の顔なんか見たくない!!子どもたちを連れて出て行け!!出て行かないなら、オレが出て行く!!」
夫は離婚届を差し出して、家を出て行った。すでに夫の署名と捺印がしてあった。
それを見た子どもたちは…。
來夢「お父さんどうしたの?」
礼紋「お父さんどうしたの?」
子どもたちは何も知らず、私はただ泣くだけだった。
夫は家を出て行ってしまい、私は子どもたちとともにつらい生活を送らなければならない。
このコロナのクラスターで仕事を失い、家族も失った。
もうこれから、どうしたらいいのかわからない。
これからもっと地獄の日を味わうことが始まることになるとは想像もしなかった。
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