梅の実学園の仲間たち

梅の実学園のメンバー(生徒)たちの物語です。現在のメンバーたちは4800人(匹)!!みんなで作る学園です!!

コーヒーショップ

こんにちは。優太(中1)です。

今日は「梅の実」男子テニス部の練習。

野球部やサッカー部のようにしょっちゅう練習があるわけではないけど、月に何回かは練習に通っています。

 

西町のテニスコートを借りて、ランニングに素振り、ボール拾いといろいろ練習をします。

レギュラーメンバーの順一(中1)や同じ学校の先輩の真一郎くん(高2)らはコートに入って練習試合。

男子テニス部の活動についてはいつか紹介しますが、同じ学校の友達の康介(中1)たちと一緒にレギュラーたちの試合を見学。

康介「あ~あ、ぼくたちも試合がしたいね。」

優太「そうだね。」

 

練習終了後、順一が、

順一「ねえみんな、この近くのコーヒーショップに行かない?」

全員「賛成!!」

順一の誘いでテニスコート近くのコーヒーショップに行くことになった。

暑い中練習したから、のどが渇いちゃった。

メンバーはぼく、康介、順一、和久、英幸、大助(以上、中1)、健二くん、慎平くん、努くん(以上、中2)、セージ(うさぎ・♂2歳)の10人。

 

中へ入ると、コーヒーの香り。

みんなで席を確保して、それぞれのドリンクを注文した。

 

でもぼくは、コーヒーはどうも苦手。苦みがね(^_^;)

逆に青汁や飲み薬の苦みには慣れてしまっているけど(ワラ)。

コーヒーショップやカフェに行くと決まってチャイなどの紅茶系の飲み物をオーダーすることが多い。

今日は「アイスチャイ」。他のみんなはフローズンやカプチーノなどのコーヒー系のドリンクを注文。コーヒーが飲めるなんてうらやましい。

 

でも、コーヒーショップへ行くと落ち着くんです。

ドリンクを飲みながら勉強したり、本を読んだりできるけど、もっと別の理由があるんです。

それは、店内に流れる音楽。

いつも電車の中で聴いているダウンロードしたJ-POPや洋楽ではなく、ジャズやボサノバが流れるんです。

その音楽がすごく心地よくて…。

 

実はぼく、3年前に心臓の手術を受けて、今はこんなに元気なったんです。

入院生活についてはいつかお話しますが、術後、ICU(集中治療室)に運ばれて、約1か月間、その部屋で過ごしました。細菌などの感染防止のため、家族との面会も制限されていました。

ICUでは主治医の先生や看護師さん、麻酔医の先生しか入ることができない。両親とは術後から目が覚めるまでしかそばにいることができなかった。

 

こんな狭い部屋の中で一人で寝たきり。手術台に横になった時の恐怖心で泣いてしまったこと、そして術後の痛みにつらい治療が重なって、体が震えて泣いてしまった。

そこに麻酔医の先生がそのことをわかってくれて、そばに寄り添ってくれました。だんだん2人で話しているうちに心が落ち着きました。

苦手な注射も先生は「よくがまんしたね。えらかったね。」とほめてくれました。

 

しばらくして術後の痛みも治まり、寝ているのも退屈だったとき、先生が音楽をかけてくれました。その曲はJ-POPかと思ったら、ボサノバでした。

ボサノバの曲は知らなかったけど、これがとても落ち着くんです。

先生が「J-POPとか、好きな曲があったら言ってね。ハードロックはダメだけど。」と言ってくれたけど、ぼくは「この曲がいいです。」と曲を変えなかったな。

麻酔医の先生の存在でこれまで怖い存在だった医者がいつしかあこがれの存在になり、今では医者を目指すようになりました。

 

今でもコーヒーショップやカフェへ行くたびにあの時のことを懐かしく思います。

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康介「優太?おおーい!」

康介がぼくの顔の前に手を振った。

優太「ん!?」

大助「どうしたの?ぼ~っとして。」

優太「何でもない。」

健二「好きな人でもできたの?」

優太「え!?いないですよ~!!ホントに。」

全員「ホントに?」

優太「ホントだって。みんな信用しないんだから。」

チャイを飲みながら、自分にそう言い聞かせた。

 

店内に流れてくるボサノバの音楽がぼくの思い出の曲なんです。

 

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