こんにちは!涼太郎(27歳・整形外科医)です。
今日は「骨と関節の日」です。
人間と動物の構造の中で、運動器の一つであるのが骨と関節です。
骨は体の機能の重要な部分。固くて普通は折れにくいです。頭から手足まで骨でできあがっています。
骨だけでは体を動かすことができないので、骨と骨の間を結ぶやわらかいクッションのようなものが関節です。
骨と関節に筋肉などがあって、運動器の機能が成り立ちます。
人間の骨や関節の病気・ケガですが、骨では骨折や骨粗しょう症、関節では関節痛、関節炎などが一般的です。
関節痛は一般の家庭薬で治すことができますが、ひどい場合は病院へ。骨折などは基本的に病院で治療をします。
骨折は不完全骨折と完全骨折、複雑骨折、粉砕骨折などがあり、いずれも病院で治療をします。不完全骨折ではギプスで固定をしますが、他はギプスの固定や外科手術が中心です。治療の後、回復してからリハビリをします。骨折の種類や箇所によっては通院だけで済む場合もあれば、入院しなければならない場合があります。骨が折れたかなって思ったら、自己治療はせずに病院で受診しましょう。
他に骨と関節のケガでは捻挫、脱臼があります。
捻挫は関節の許容範囲を超えた動きが与えられたために起きる損傷で、ひねった感覚があって痛みがあります。捻挫は家庭薬で治すことができます。ただ、ひどい場合は病院へ。
脱臼は骨同志の関節面が正しい位置関係を失っている状態で、完全脱臼と亜脱臼(不完全脱臼)などがあります。脱臼は病院で治療するのが基本です。捻挫のように家庭薬で治すことができません。
犬や猫などの動物の骨折などの病気やけがは飼い主が治療するより、動物病院へ受診する方がいいです。
人間の場合は最寄りの整形外科のある総合病院やクリニックへ、小動物の場合は最寄りの動物病院へ受診をします。
骨や関節のケガは軽い程度もあれば、命にかかわるケガもあります。競馬の馬の骨折や脱臼は重い場合は安楽死処分されるケースもあります。競馬のレースに出走する馬たちの骨はガラスのよう。骨折しても立つことさえしんどくなる馬たちもいます。
骨や関節は人間や動物が生きる上で欠かせない器官。若い人はそんなに大したことはありませんが、高齢になればなるほど衰えてきます。健康な骨や関節を維持していくには、やはりカルシウムやたんぱく質の補給です。
カルシウムは小魚や海藻、たんぱく質は肉、魚、豆類などに含まれていますが、カルシウムとたんぱく質が豊富に含まれているのが、牛乳・乳製品です。牛乳と乳製品は毎日とることを推奨されていますが、なかなか摂れないのが現状。家族で1日は必ず牛乳・乳製品を取るクセはついておきましょう。特に成長期の子どもは大人よりもたくさんとることが重要です。ただし、乳製品アレルギーがある方は乳製品以外の食品で補給します。サプリメントでも補給することはできますが、できれば自然の食材からとる方が一番です。カルシウムやたんぱく質の取り方がわからない場合やアレルギーの問題がある場合は、医師や管理栄養士に相談してください。
毎日の運動も骨や関節を維持していく基本です。スポーツ選手のように激しい運動をする必要はありませんが、家の近所をジョギングしたり、散歩をしたりするだけでも運動になります。家の中ではヨガやピラティス、家庭用ウォーキングマシーンなどで運動するのも手です。骨の形成には日光浴も重要です。ただし、紫外線が強力なので、日焼け止めは忘れずに。
私たちの体を維持する骨と関節、高齢になるまで健康に保ちましょう。
というわけで、涼太郎でした。
お大事に。
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