こんにちは。倫美(34歳・皮膚科医)です。
今日は「皮膚の病気」についてお送りします。
皮膚は私たちの体には欠かせないもの。一番目に見えるものではないでしょうか。
皮膚の外側は表皮、内側には真皮があり、汗腺や毛細血管などがあります。表皮は目に見えるものですが、真皮は目には見えません。
皮膚の話はここまでにして、皮膚の病気はどんなものなのかを簡単に紹介します。
かゆみ:皮膚の一部または全体がかゆくなるもの。湿疹やじんましんなど、それぞれの症状によって異なります。アトピー性皮膚炎や食物アレルギーでかゆくなったり、虫刺されでかゆくなったりします。原因はダニや特定の食品などのアレルギー物質や蚊などの虫など。ストレスでかゆくなることもあります。
やけど:熱いものにふれたことで皮膚がかぶれたり、ただれたりします。冷たいものでも起こります。軽いやけどの場合は家庭での処置で治りますが、重いやけどの場合は病院で治療をしなければなりません。
にきび:顔や体にできる小さいできもののことで、主に思春期である中高生に多いですが、20代・30代の大人の方でもにきびになる方もいます。
ほくろ:ほくろ自体は病気ではありません。顔や体にできる黒い点のようなもので、大きさはそばかすのように小さいものからいぼのように大きなものまでさまざまです。ただし、ほくろの種類によっては悪性の皮膚がんの場合もありますので、気になる方はかかりつけの皮膚科に相談するとよいでしょう。
しみ:顔や体にできる茶色い点のようなもの。基本的には病気ではありません。しみは大きさによって異なります。そばかすはしみの小さい点状のもの。紫外線の影響で20代以降でできる人もいれば、生まれつきできる人もいます。
あせも:汗をかいた時にできるかぶれのようなもの。夏場に多いです。
脱毛症:頭の一部または全部に毛が抜ける病気です。主に30代以降の方、特に男性に多いです。加齢によるものが主な原因ですが、ストレスで脱毛症になる方もいます。
水虫:白癬菌という細菌によって感染する病気で、一般に足にできるのが水虫、足や手のひら、頭、太股の内側、陰部以外の皮膚にできるのがたむしです。水虫のうち、足の爪にできる水虫のことを爪白癬といいます。
しわ:加齢によってできるものです。その昔は30代以降にできましたが、スキンケアの進化で30代、40代になってもしわはできにくくなりました。
皮膚がん:ほくろやしみなどは良性の腫瘍ですが、悪性の皮膚がんの場合は良性に比べて再発や内臓の転移を引き起こす場合があります。悪性の皮膚がんはいろいろな症状があるので、該当がある場合は病院で診察を受けて下さい。他のがんと同様、早期発見が肝心です。皮膚がんのうち、悪性黒色腫(メラノーマ)は人間だけでなく動物でも起こり、特に芦毛の馬が罹患します。
治療についてですが、かゆみやあせも、軽いやけどは家庭の市販薬で治すことができます。水虫も市販の治療薬で治すことができますが、すぐに治っても再発することがありますので、根気よく治すことが肝心です。それでも治らない場合は皮膚科へ。爪白癬は皮膚科による治療が中心です。
アトピー性皮膚炎や食物等のアレルギーによるかゆみは長期的な治療が必要になるので、かかりつけの皮膚科や内科、小児科、アレルギー科による治療が中心です。
にきびは家庭の市販薬で治すほか、毎日の洗顔が必要です。洗顔に使うクレンジング剤はドラッグストアで売っているお手頃のもので十分です。にきび肌専用のスキンケア用品もあるので、それを使うのも◎。
ほくろ、しみは薬では治すことができません。皮膚科でレーザー治療を受けることになります。ほくろ、しみは病気ではないので、費用は自由診療となります。ただし、悪性のがんのような病的なほくろの場合は保険診療で、薬や手術による治療が中心です。
脱毛症は市販の治療薬がありますが、基本的には皮膚科による治療が中心。薬の治療以外では毎日のシャンプーを欠かさずにすること。発毛のサロンへ行く場合は医師と相談した方が望ましいです。
しわは皮膚科によるピーリング治療などが中心で、しみの治療と同様、自由診療です。
皮膚を清潔で健康に保つためには頭皮はシャンプー、体はボディーソープで洗います。顔は洗顔用の石けんやクレンジング剤で。ただし、洗いすぎると皮膚を保護する物質まで落としてしまうので、ほどほどに。洗った後は化粧水やボディーローションなどで皮膚を保護します。化粧品はドラッグストアや百貨店、通販などいろいろありますが、価格は安くても、自分の肌にあったものを使用してください。一部の皮膚科クリニックでは医師が開発したスキンケア用品を販売しているところもあります。
基本的なことですが、毎日の食事、睡眠は欠かせません。食事はたんぱく質やビタミンなど、バランスのとれた食事を取ること。炭水化物だけなど、偏った食事は皮膚を健康に保てません。特にダイエット中の方はご注意ください。どうしても自分の食生活が偏る方はサプリメントや青汁をとるのもおすすめです。睡眠は早い時間に寝ると新しい皮膚を作る働きがありますので、適度な睡眠を心がけて下さい。寝不足は禁物です。
皮膚の具体的な病気の種類や治療法については以下のホームページをご覧ください。
ひふの病気(日本臨床皮膚科医会):http://www.jocd.org/disease/disease_31.html
皮膚の病気(ここカラダ):http://www.cocokarada.jp/disease/bn/DBU4100/
皮膚は年を重ねてもきれいに健康に保ちましょう。
というわけで、倫美でした。
お大事に。
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