砂川（28歳）です。
ぼくは「アダルトチルドレン」です。
いきなりヘンなことを言ってすみません。
アダルトチルドレンって何のことかってわかりませんよね。
アダルトチルドレンは、「大人っぽい子ども」ではなく、「子どもっぽい大人」ではありません。
アダルトチルドレンは劣悪な家庭環境の下で育った「大人たち」のことを言います。
劣悪な家庭環境は、親の両方またはいずれかが「アルコール依存症」や精神疾患を罹患し、十分に子どもが育てられなかったり、親からの虐待で肉体的、精神的に傷つけられ、深刻な貧困で子どもが育てられなかったなどです。
通常の家庭環境よりも悪い条件で育った子どもが大人になり、職場での人間関係の悪化で転職を余儀なくされたり、結婚しても夫婦関係の悪化で離婚したり、子どもの時に受けた傷が大人になっても引きずっている人たちが多いです。
ぼくのことなんですが、ぼくは小さい頃から勉強漬けの毎日でした。
父親は仕事でほとんど家庭に顧みず、子どもの教育は母親にまかせっきりでした。幼稚園、小学校、中学校、高校、大学…と母親の言われるままに受験勉強をさせられました。
幼稚園は有名私立に入園しましたが、小学校受験、中学受験に失敗しました。
高校は都内で有数な私立進学校に進学し、大学は1年浪人はしたものの、有名大学に進学しました。
ぼくには兄がいます。兄は学校の成績が優秀で、小学校から大学まで希望の学校に進学し、会社も大手企業に入社し、安定した生活を送っています。
母親はいつもぼくと兄を比べます。成績が優秀な兄には優しい態度で接していましたが、ぼくには厳しい態度をとります。特に小学校受験や中学受験に失敗したことや、大学受験に現役合格ができなかったときは、怒鳴り声と暴力が絶えませんでした。
父親も同じです。兄にはにこにこしていました。ぼくには冷たい態度をとります。「なんでお前はこんな成績しか取れないんだ！！もっと勉強しろ！！」って何度も言われました。
ぼくは大学を卒業し、一応会社には就職しました。しかし、半年で辞めました。それ以後はアルバイト、派遣と転職を繰り返しました。
そんな社会人だったぼくを両親は今でも冷ややかな態度をとります。ぼくは両親から一度も甘えさせることができません。自分の中で押し殺して、「いい子」を演じていました。
しかし、そんなぼくは爆発しました。冷ややかな態度を示す両親に対し、ぼくは両親に暴力をふるいました。気が付けば、家中がめちゃくちゃになりました。
その後、自分の部屋に閉じこもり、引きこもりに。就職もせずにずっとネットやゲームばかりしていました。
そんなぼくを救ってくれたのは「梅の実」の人たちです。チャットのみの参加で、ほとんどイベントには参加していません。ヲタク部の活動に月1回参加するだけです。チャットでは境遇は違いますが、ぼくのことを理解してくれている人たちもいます。
一部の「梅の実」メンバーたちの勧めで、引きこもりの人たちの自助グループに参加し、周りの当事者たちはぼくと同じような思いを抱え込んでいました。中には泣きながら体験を話した人もいました。
劣悪な家庭環境で育ったアダルトチルドレンたちは、今でも心に傷を受けている人がいます。うつ病などの精神疾患にかかっている人たちも少なくありません。発達障害や軽度の知的障害を持つアダルトチルドレンもいます。
親から逃げ出して、一人暮らしをするアダルトチルドレンたちもいます。定職についている人はまれですが、多くが転職を繰り返しながら、ギリギリの生活をしています。中には生活保護や障害年金を受けているアダルトチルドレンもいます。離婚経験のあるアダルトチルドレンの人は子どもを育てながら生活をしている人もいます。
日本ではアダルトチルドレンに対する支援は何もありません。障害者は障害者の支援、一人親家庭は一人親家庭の支援などと、個々の弱者に対する支援があるくらいで、アダルトチルドレンそのものの支援はありません。アダルトチルドレンは「子どもっぽい大人」と誤解されやすいため、社会からの偏見もあります。
アダルトチルドレンに対する理解と啓発、そして、アダルトチルドレンに対する人的、経済的支援をしてほしいです。アダルトチルドレンはつらい思いを抱え込んでいます。これ以上、つらい思いはしたくないです。
というわけで、砂川でした。
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