梅の実学園の仲間たち

梅の実学園のメンバー(生徒)たちの物語です。現在のメンバーたちは4800人(匹)!!みんなで作る学園です!!

昭和の音楽

こんばんは。理(高2)です。

ここ最近梨佳(中1)からお知らせメールがやたらと届く。

「梅の実」メンバーだけのお知らせもあるが、大半がアンダークラブメンバーからの転送メールだ。

内容を確認すると、「感染対策の厳守」や「健康観察のお知らせ」「リモート勉強会」といったお知らせのものもあれば、「リモートカラオケ大会」や「学校対抗クイズ選手権」のような全く関係ないものまである。

 

これらのメールは「梅の実」メンバーには一切届かないメールばかり。なんでオレらのところに来ているんだ?

 

ある日、梨佳からの転送メールが1通届いた。

アンダークラブメンバーの綾(高2)からで、中身は「昭和の音楽について語ろう」との内容だった。

対象者は「梅の実」の全メンバーで、Zoomでのオンライン開催となっている。

オレは昭和の音楽は興味ないが、綾に何でアンダークラブ宛ての転送メールがオレらのところに届いたのかを知りたかった。

 

オレは明(高2)たちを呼んで、綾たちに殴り込みをかけた。

 

綾「それでは、昭和の音楽についてじゃんじゃん、ばんばん語りましょう!」

参加したアンダークラブメンバーたち「イエーーイ!!」

綾「では、好きな昭和の音楽や後世に語り継ぎたい音楽を発表しましょう。まずは誰が発表しますか?」

命(高3)「はい!」

綾「では、イノッチ(命のあだ名)どうぞ!」

命「ぼくは「美空ひばり」さん(故人)で、リアルでは聴いたことがないんですけど、サブスクで聴いてみてすごくいい曲だなって思いました。特に昔の曲が好きで、「リンゴ追分」とか「東京キッド」とかはおすすめですよ。」

名美子(26歳・建設会社勤務)「ひばりさんの曲はいいですよね~。」

由梨子(高2)「ひばりさんもいいですが、私は「松田聖子」さんの曲が好きですね。今の曲も好きなんですが、特にアイドル時代の曲はリゾート気分を思わせるようですごく好きですね。」

綾「確かに聖子さんの曲は好き。」

和昭(34歳・公務員)「みんなリアルで見てないけど、昔の映像を見ると全然違いますよね。」

綾「あ、誰か来た。」

香凛(ぶた・♀2歳)「誰々?」

小杉(33歳・芸能プロダクション勤務)「あの、ぼくも混ぜていいですか?転送メールを見てこちらにお邪魔しています。」

秀吉(ぞう・♂7歳)「こちらこそよろしくお願いします。」

素晴(高1)「あ、小杉さん、秀吉先生!」

小杉「あ、来てたの。」

素晴「はい、ぼくも転送メールを見て。」

綾「あ、ありがとうございます!どうぞどうぞ。リモートなんですが、カラオケ喫茶のような雰囲気を楽しんでいただければ。」

素晴「今昭和の音楽を語っていて、今は美空ひばりさんと松田聖子さんの話をしていたんですよ。」

小杉「ぼくは聖子ちゃんはファンの一人ですね。娘さんは残念ながらこの世にはいないですが、アイドル時代からずっと聴いていますね。」

史郎(30歳・証券会社勤務)「よくご存じで。」

小杉「ぼくら2人は昭和の文化が好きで、いつも語っているんですよ。あと、もう1人も一緒だったんですが、研究生に降格になったんですよ。ワクチンは本人は受けていたんですが、子どもが受けていなくて、それで連帯責任で降格になったっていうか。うちも子どもメンバーの感染が増えたから、もう一人の人も子どもにワクチンを打つ予定にしています。」

綾「昇格になったらいつでも参加できるので、お子さんのワクチン接種が終わりましたら教えていただければと思います。」

小杉「今度その人にも言っておきます。」

秀吉「ぼくは「中山美穂」さんが好きですね。今は日本とフランスを行ったり来たりしていますが、今でも女優として活動をしています。一番好きな曲は「派手!!!」という曲で、ドラマの主題歌にもなった曲です。」

可玲(中1)「私も中山美穂さんの曲は好きですね。私はどちらかというと、「南野陽子」さんが好きで、お嬢様のような清楚な雰囲気もマネしたいですね。」

秀吉「ナンノもいいね。ぼくも好き。」

克海(中1)「オレは「西城秀樹」さん(故人)で、オレら世代では脳梗塞でリハビリのイメージしかなかったですが、曲を聴いてみると、めっちゃかっけー曲ばかりで好きになりました。いつもはロックを聴いているので。」

小杉「ヒデキは当時は大人気でしたからね。病気で惜しくも亡くなりなしたが、曲は本当に名曲ばかりですからね。ところで、アンダーの子どもメンバーは昭和歌謡が好きな子はいるの?」

綾「全員好きですね。好みはそれぞれですが、演歌とかも聴きますし。今はサブスクがあるから気軽に聞けるしね。あ、ちなみにアンダークラブでは高校生までのメンバーを「子ども」って言わないんですよ。」

秀吉「そうなの?学年別ってことかな?」

綾「小学校高学年から高校生までは「ジュニア」と言うカテゴリです。小学校低学年以下は「キッズ」で、大学生や高卒社会人は19歳を含めた20代は「ヤング」、30代以上は「アダルト」でそれぞれカテゴリ分けしています。」

愛果(中1)「さらに幼児までの子どもは「キティ」、小学校低学年は「キッズ」、小学校高学年が「リトルジュニア」、中学生が「ジュニア」、高校生が「ミドルジュニア」、19~22歳までが「リトルヤング」、23~25歳までが「ヤング」、26~29歳までが「ミドルヤング」、30代が「ヤングアダルト」、40代が「ミドル」、50代が「アダルト」、60代以上が「シニア」に細分化されます。」

チーグル(柴犬・♂3歳)「カテゴリ分けしても、同じメンバーであることは変わりないので、年齢関係なく付き合っていますよ。」

小杉「全然知らなかった。うちとは全然雰囲気が違うし、びっくり。」

秀吉「「子ども」という言い方は抵抗があるのかな?高校生とかだったら抵抗がある子が多いけど。」

克海「中学生でも「子ども」って呼ばれると嫌ですよ。人として認められていないっていうか。」

ファニー(ねこ・♀1歳)「小学生でも「子ども」って呼ばれるのはちょっとって思います。私たちは「子ども」「大人」の区分よりも一個人で見てもらいたいですから。」

将嗣(高1)「中には「子ども」って呼ばれるのを拒絶する子もいます。大人でも子どもっぽい大人はいますよね。それでどういうカテゴリでいいかを話し合った結果、ジュニアとかヤングとかで合意しました。」

小杉「確かに子どものような大人はいるよね。辞めてしまった元メンバーとかがそうで。」

秀吉「どっちが子どもでどっちが大人かわからないよね。」

綾「あ、誰か来た。」

小杉「理くん!」

綾「あら、みなさんおそろいで。」

理「オレら「梅の実」メンバー宛に転送メールを送ったの、お前らだろ!!」

綾「そうだけど、実際に送ったのは本隊メンバーのキャプテンだけで、それ以外のメンバーには送ってないけど。それに転送メールを送っても、その後転送するのは本隊メンバーのキャプテンの判断なので。」

理「それは聞いてないぞ!!無断で転送メールを送るのはどうかと思うが。」

沙由美(中2)「ウチもそのメールが届いた。和光くん(中等教育学校6年)から送られてきたんだけど、たくさんメールが増えて迷惑なんだけど。」

綾「あ、拓矢さん(40歳・IT関連会社勤務)は来てないので、代わりに言っとくけど、アンダークラブは「梅の実」本隊の一員なので、当然ながらうちらのメールが本隊メンバーにこれから届くの。もちろん個人情報なので厳重に管理はするけど。」

理「メールなんてどうでもいいよ!お前らが「梅の実」の一員なんて聞いてねーぞ!!」

小杉「これは本部の判断なので、こっちがどうこう言うべきじゃないよ。もう「梅の実」は買収されて、アンダークラブと梅の実インターナショナルの共同傘下となったわけだし、これからは上に従うしかない。そうじゃなかったら「梅の実」がつぶれてしまっていたんだよ!」

沙由美「ウチは前の「梅の実」の方がよかった…。」

明(高2)「拓矢主導の「梅の実」はオレらが下っ端扱いされるだけだよ!」

小杉「誰もそこまで言ってないでしょ。拓矢さんのやり方には一時疑問があったけど、「梅の実」をあそこまで立て直してくれたのは拓矢さんだよ!ご自身も家庭のことで大変なのに、「梅の実」のことを本当に考えてくれている。もとはと言えば、「梅の実」をぐちゃぐちゃにしたのは政治やワクチンやらで反発してくる大人たちが悪いよ!!こっちは政治もワクチンも関係なく気軽に楽しみたいだけなのに、あいつらがこそこそとつぶしにかけようとしてきたから問題なんだよ。」

沙由美「そんな…。」

理「あの大人たちも糞だけど…。」

綾「「梅の実」を潰す輩はさっさと消えるべきだよ。」

理「でもさ、ワクチンの有無のせいで大切なメンバーたちが研究生に降格されて、中には辞めたメンバーもいるんだよ!!ワクチンの有無で差別するな!!」

綾「てか、ワクチンをしてない子がいるとこっちが迷惑を被るんで、してない子はメンバーとしては認められない!」

沙由美「あんたたちの方が差別をしてるんじゃない!?大切な仲間がワクチンを打ってないせいで「梅の実」を追い出されるのは本当に嫌!!」

小杉「でも実際にワクチンを打ってない子が感染しているのも事実だよ!今回研究生に降格された岳之さん(38歳・芸能プロダクション勤務)は子どもたち(波留斗・小3&芽依弥・5歳)がワクチン未接種のために家族そろって降格されたんだ。岳之さんの近所の子どもたちがコロナ感染で後遺症を患ってしまって、それでワクチンを受けることになったんだけど、小さい子どもの場合はワクチン接種ができる病院や接種会場が非常に少なくて、半年以上も予約待ちがざらなんだよ。それは考慮すべきだよね。」

綾「それはもちろんです。ワクチン接種を完了していれば、いつでも昇格は可能ですので。」

理「ワクチンの有無でメンバーを差別してほしくねーんだよ!!それにさ、お前らのことメンバーだと認めてないから。」

 

と、オレは綾たちに捨て台詞を言ってその場を去った。

 

やっぱりアンダークラブは「梅の実」メンバーとしては認められない!!

 

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