梅の実学園の仲間たち

梅の実学園のメンバー(生徒)たちの物語です。現在のメンバーたちは4800人(匹)!!みんなで作る学園です!!

「梅の実学園」の弱体化

チャイナ(くま・♂3歳)だ。

脱退予定者が脱退をとどめてくれたことで、解散危機は免れた「梅の実学園」。

しかし、昔みたいにまとまった雰囲気がない。

 

コロナ禍でみんなと会わなくなったのもあるが、年々「梅の実」が弱体化しているような気がする。

理由の一つに大人メンバーたちが増えすぎたのが大きな問題だ。

1期メンバーだけの時は多くが子どもメンバーで、大人メンバーは山中さん(31歳・広告代理店勤務)や冬美さん(23歳・派遣社員)など、ごく一部だけだ。

やがて20期メンバーまで増えて、大人たちがしゃしゃり出て、子どもたちの入る隙がなくなってきた。

一部のチームでは独自に年齢別に区別されて、小さい子どものグループは大人たちに支配されて、大きな問題になった。こないだの早憂(中2)のSNS投稿問題も、大人たちの支配で子どもの心がすさんでしまったのが要因だ。

 

今回のコロナ禍でその問題がもろに出てしまい、大人メンバーたちが子どもメンバーたちが希望していたPCR検査の義務化に反対して、大人たちが自粛無視して合コンや旅行、飲食店での飲み会を強行した人たちがいた。その結果、感染者を増やしてしまった。

すでに子どもメンバーの中にはコロナが怖くて不登校になった子もいる。

 

「梅の実」はメンバー一人一人の会費はとっておらず、スポンサーの寄付金とメンバーの任意のカンパで成り立っているが、このコロナ禍でスポンサーを撤退してしまった会社や店が増えてきた。大きな会社では幸いスポンサーは撤退していないが、大きな会社までスポンサーを撤退してしまうと、運営が厳しくなってしまう。

一部のメンバーからはクミン(くま・♂3歳)の指導力に問題があり、代表を辞任すべきだと言っている者もいる。

 

こないだのオンラインチャットで乱入した「梅の実学園アンダークラブ」の4人の中で、綾(高2)はオレと同じ北町チームであることが、メンバーの海里(小6)から聞いて初めて知った。

海里からアンダークラブについていろいろ教えてもらったが、アンダークラブはオレらとは違ったやり方で運営をしている。

 

「梅の実」はスポンサーとカンパで運営をしているが、アンダークラブはスポンサー費用は一切とっていない。毎月メンバーから会費を徴収しており、その会費でやりくりしている。カンパはお菓子の費用や飲み会の費用で徴収するくらい。今はコロナ禍で外での飲み会は一切禁止しているそうだ。

「梅の実」は情報部が作ったチャットとオンラインチャットを使用しているが、アンダークラブは基本的にメールやZOOMをメンバー同士のコミュニケーションツールとして使っており、特にZOOMはコロナ以前から使っているそうだ。コロナ禍になってからはZOOMは必須アイテムとなっている。「梅の実」のオンラインチャットはもともとは支部や本部のテレビ会議に使うだけで、メンバー全員がオンラインチャットを使うようになったのはコロナ禍になってからだ。

ZOOMは会議や勉強会、オンラインでの飲み会やごはん会、ちょっとしたおしゃべりタイムなど、フルに利用している。アンダークラブメンバー同士で直接会うのは、今は学校や会社で一緒のメンバーたちだけ。

「梅の実」メンバーとアンダークラブメンバーが同じ学校、同じ会社の人たちもいる。オレが通っている「さくらんぼ高校」でもアンダークラブメンバーが2人いるそうだ。

アンダークラブメンバーは全員で4800人いるが、7割が子どもメンバーで、3割が大人メンバー。大人メンバーのほとんどが40歳以下という、若い人たちばかり。41歳以上のメンバーはいるが、「梅の実」の41歳以上のメンバーよりも少ない。子どもメンバーもほとんどが小学4年生から高校生が中心で、小学3年生以下のメンバーも少ない。ほとんどが10代、20代、30代で構成されている。

他にもいろいろあるが、海里から聞いた話ではアンダークラブメンバーは全体的に雰囲気がすごく明るくて、子どもや若いメンバーの意見が言い合える場となっている。今回のコロナ禍でも、一部のメンバーたちの感染を機に、独自の感染対策を実施し、PCR検査も団体割引として、通常よりも安い金額で検査が受けれるのを実現し、メンバーや同居家族がコロナに感染したときには地域ごとで迅速な対応をしている。

 

アンダークラブメンバーはオレらにとっては敵同士であるが、アンダークラブの活動の背景には、「梅の実」が忘れかけていた活動方針が見えているように思えた。

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