梅の実学園の仲間たち

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コロナワクチンと血栓症

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こんにちは。森本(44歳・外科医)です。

今日は「コロナワクチンと血栓症」についてお送りしたいと思います。

 

新型コロナウイルスのワクチンは世界で12のワクチンが開発・緊急使用許可され、世界各国で多くの国民がワクチン接種を受けています。

 

その中で問題になっているものの一つにワクチン後の「血栓症」があります。

血栓症血栓という、体内に血液の塊ができ、心臓や脳にその塊が入ってしまうと、命にかかわる場合があります。

ワクチン後の血栓症はワクチン誘発による血小板減少症に伴う血栓症で、この血栓症で起こるワクチンはアデノウイルスベクターワクチン(ウイルスベクターワクチン)で、mRNAワクチンや不活化ワクチンなどでは起こっていません。

アデノウイルスベクターワクチンで血栓症が報告されているのは、イギリスのアストラゼネカアメリカのジョンソンエンドジョンソンで、特にアストラゼネカではヨーロッパや韓国を中心に、ワクチン後の血栓症を発症し、死者も相次ぎました。アデノウイルスベクターワクチンは他にロシアの「スプートニクV」と中国の「カンシノ」がありますが、この2つのワクチンによる血栓症が発症したかどうかは明らかにされていません。

アストラゼネカのワクチンでは当初は18歳以上が対象でしたが、多くの国でアストラゼネカワクチンの使用を中止し、一部の国では年齢制限を設けています。日本では5月にモデルナのワクチンとともに緊急使用許可され、最初は海外の輸出が主でしたが、8月に「原則40歳以上」の国民に使用されることになりました。

 

アストラゼネカのワクチンの副反応はすでに緊急使用許可されているファイザーとモデルナと同様に、発熱や腕の痛みがほとんどですが、1万人~10万人に1人の割合で血栓症が起こっています。ワクチン接種後の血栓症は4日~28日で発症し、最初は頭痛やめまいなどが発症し、血小板が減少します。その後検査で異常が見つかり、初めて血栓症が診断されます。

治療自体はエビデンスが確立しておらず、保険適応外となります。治療はヘパリン以外の抗凝固薬やステロイドなどで治療を行います。経済的に治療は無理な方は、あらかじめファイザーなどのmRNAワクチンの接種を選択すべきでしょう。

 

アストラゼネカワクチンは血栓症の副反応が心配な方が多いですが、mRNAワクチンでアナフィラキシーショックを起こした方、起こす可能性がある方はアデノウイルスベクターワクチンのアストラゼネカワクチンの選択もアリだと思います。日本では40歳以上となっていますが、18歳~39歳までの方はmRNAワクチンでアナフィラキシーショックを起こす方や病気を理由にmRNAワクチンを打つことができない方などに限り、対象にしています。尚、18歳未満の方に関してはアストラゼネカワクチンを接種することはできません。

 

日本でのワクチン接種も50代以下の一般国民の接種が始まっています。来年以降は別の種類のワクチンも使用される可能性があります。まだワクチン接種が終わっていない方は、それぞれのワクチンのメリット・デメリットを考えて、受けるワクチンを選択しましょう。

 

というわけで、森本でした。

また明日。

 

*参考リンク*

コロナウィルスワクチンと血栓症(桑名眼科脳神経クリニック):https://kuwana-sc.com/brain/1768/

 

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