梅の実学園の仲間たち

梅の実学園のメンバー(生徒)たちの物語です。現在のメンバーたちは4800人(匹)!!みんなで作る学園です!!

「ごめんなさい…。」

*前回の記事はこちら!→https://umenomi-gakuen.hatenablog.com/entry/2022/01/16/180000

こんばんは。秀子(53歳・飲食店パート)です。

可夏子さん(37歳)の件で、「梅の実」の大人たちが対立して分断し、ついにはすべてのスポンサーを失ってしまった。とうとう「梅の実」は経営破綻になってしまった。

「梅の実」の経営破綻が全メンバーに広がり、子どもメンバーたちはショックを受けていた。

 

ある日、私の携帯が鳴った。着信は可夏子さんだ!!

秀子「もしもし。」

礼紋(小3)「もしもし、おばちゃんですか?」

電話の相手は可夏子さんの娘の礼紋ちゃんだ!!なんで礼紋ちゃんが…?

秀子「どうしたの?どうしておばちゃんの電話番号を知っているの?」

礼紋「…話があります。一度おばちゃんの家に行っていいですか?」

秀子「いいけど、私に話があるの?」

礼紋「ううん、「梅の実」のみんなに!!」

それで私は夕方に簡易宿泊所にいる礼紋ちゃんをお迎えに行って、私の家へ。可夏子さんの今の携帯はリモートがないため、私の家のパソコンのリモートを使うことに。

この日は礼紋ちゃんだけでなく、弟の來夢くん(小1)も一緒に。

可夏子さんに許可を得ようとしたが、礼紋ちゃんがダメって言われて、すぐに行ってくれって言われた。

それで仕方がなく、私の家に。

 

家に帰って、私の家のパソコンにオンラインチャットを開き、メンバー全員を呼び出した。

 

~ここからはオンラインチャットによる会話です~

理(高2)「今日は何ですか?」

秀子「今日はみなさんにお話があります。」

賢一郎(25歳・メーカー勤務)「話…?」

(礼紋が画面に登場する)

典明(38歳・スーパー勤務)「礼紋!!…來夢!!」

礼紋「みなさん、ごめんなさい…。」

沙由美(中2)「礼紋…。」

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礼紋「私と來夢のせいで、学校でコロナに感染した人たちが増えて、私たち家族も感染して、お父さんと私はひどい目に遭いました。私と來夢のせいで、私の友達のお母さんが死んでしまい、私は友達と絶交されて、いじめに遭っています。」

典明「礼紋…。」

礼紋「そして、お母さんがお父さんと離婚して、お母さんは保育士の仕事を辞めてしまい、家を追い出されました。家も仕事もありません。全部私と來夢のせいです…本当に…本当に…ごめんなさい…。」

美夏(28歳・メーカー勤務)「礼紋ちゃん…。」

來夢「ぼくは悪くないもん!!なんで謝らなきゃならないの?」

礼紋「來夢、お前が行きたいって言うからだよ!!お前も謝れ!!」

來夢「嫌だ!!」

礼紋「謝れ!!」

來夢「嫌だ!!」

礼紋「謝れ!!謝れ!!謝れ!!…うわーーーーーん!!!」

秀子「礼紋ちゃん、大丈夫?」

梨佳(中1)「これであんたたちの罪となった。あんたたち2人は「梅の実」のみんなに迷惑をかけたんだから、罰金を払ってもらうよ!!制裁金として100万円!!!」

理「100万円!?」

賢一郎「いくら何でも子どもに100万円を払わすのはおかしいだろ!!」

梨佳「礼紋と來夢は「梅の実」を壊した戦犯なんだから、これくらいやってもらうことは当然!!芸能活動をしたら軽くお金はもらえるんだから、子どもでも働くことは可能!!」

一(小5)「確かに子役は小学生でも働くことはできるけど。」

紗江子(中3)「小学生で芸能活動で軽く100万円稼ぐ子って、ほんの一握りなんだけど…。」

理「梨佳、それはちょっとやりすぎだと思う!!子どもがそんな金あるわけないだろ!!」

梨佳「何で!?こいつらはウチらの大事な「梅の実」を壊したんだよ!!こいつらには一生罪を償うべきだと思う!!」

賢一郎「じゃあ、可夏子先生に生活保護や住宅のあっせんを拒否されたときの文書を書いたのはお前か!?」

梨佳「ウチじゃない!!ウチはそんなことしてないし、可夏子先生が今いる場所自体も知らないし!!」

理「じゃあ、文書を書いたやつってわかるか?」

秀子「確か、「「西小学校」新型コロナクラスター感染被害者の会」という団体だった。」

明(高2)「被害者の会!?」

宏伸(24歳・小学校教師)「聞いたことないですね。」

香菜子(28歳・建設会社勤務)「コロナの感染は誰のせいでもないのに、1人をターゲットにして犯人扱いをするのはあまりにもおかしいと思う。」

典明「あの、私が責任を負います。」

礼紋「お父さん!!」

典明「元妻とはこれ以上顔は見たくないし、これからも一生責任は取りたくないです。しかし、礼紋と來夢は私の子どもでもあります。子どもたちは父親である私にも責任があります!元妻は助けてやるつもりはありませんが、子どもたちはそうはいかない。子どもたちはまだ大きな大金を払うのは困難です。子どもたちが働きだすまでの間は私が制裁金を払います。子どもたちが就職して、ちゃんと給料がもらえるようになったら、私に返せばいいだけです。それでいいですか?」

梨佳「…わかりました。あとで美夏さんの説明をよく聞いてください。」

典明「はい。」

元ご主人の典明さんが、礼紋ちゃんと來夢くんへの制裁金を代わりに払うことになった。

 

そして、私の元に着信が。貧困支援のボランティアからだ。

可夏子さんの様子がおかしいと聞いて、私とオンラインチャットに参加した一部の「梅の実」の大人メンバーたちがすぐにかけつけた。礼紋ちゃんたちはうちの家族が面倒を見ることに。

可夏子さんがいる簡易宿泊所に向かうと、そこには変わり果てた姿の可夏子さんが…。

怒鳴り声で叫び、ボランティアが持ってきた弁当を手づかみで食べ、部屋中を暴れ出す可夏子さんが…。

一緒に来た理佐さん(24歳・公務員)がこれはおかしいと、すぐに救急車を呼ぶように言われた。男性のメンバーたちはボランティアの方とともに可夏子さんを制止させたが、暴れたり、制止させたりのくり返し。

 

可夏子さんは救急車で地元の精神病院に搬送され、閉鎖病棟に入院することに。

あとで典明さんがやってきて、話を聞いたら、可夏子さんは13年前から「躁うつ病」を患っており、薬を服用しながら仕事をしていたことが分かった。実の両親と絶縁されたのも、可夏子さんの精神の病気で家庭が崩壊し、実の両親が耐え切れなくて、可夏子さんの縁を切ったそうだ。

典明さんと結婚し、2人の子どもたちを出産しても、病気の症状でめちゃくちゃになることがあったそうだ。仕事では普通にしていたが、一部の後輩保育士に対して大声で怒鳴ることがあった。

ここ最近は症状が落ち着き、安定した生活を送っていたが、2人の子どもが他の友達と同じように旅行へ行きたいと泣きだした時にパニックを起こし、旅行をめぐって、典明さんとケンカになってしまった。そこでもパニックになってしまったそうだ。コロナ感染事件後からは精神が不安定になり、1人では解決ができないほど追い詰められていた。

旅行からコロナのクラスター感染、夫と娘の入院、職場の解雇、離婚、貧困生活…と、どんどん積み重なってしまい、症状が悪化する引き金となってしまった。

 

私たちがもっと早くに気づいていれば、最悪の事態にならずにすんだのに…と、本当に後悔した。

 

2人の子どもたちは典明さんが引き取ることになり、親権も典明さんとなった。

文子先生(41歳・弁護士)が可夏子さんの実の両親のもとに向かい、可夏子さんの面倒を見てほしいとお願いしたが、両親は断固断った。何度も頭を下げたが、聞き入れてくれなかった。

そしてきょうだいの連絡先を教えてもらい、連絡をしたが、あとで東京にいる姉が折り返し連絡をしてきて、話し合いの結果、姉が可夏子さんを引き取ることになった。

可夏子さんの姉は夫と2人暮らしで、子どもはいなかった。不妊症治療を続けていたが、子どもには恵まれず、夫と2人で暮らしていた。夫婦ともに精神疾患の方の支援をする仕事をしているため、夫と相談して、一緒に暮らすことになったそうだ。

しばらくは入院中であるが、退院後は姉夫婦と一緒に暮らすことに。

 

長い長いコロナ感染事件はとりあえず終幕となった。

 

「梅の実」ではこれだけでは終わらず、この後、子どもメンバーたちがボイコットをすることになるとは、この時は知る由もなかった。

 

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