かおり(中3)です。
私は自分の家が嫌い。
お父さんは仕事で帰りが遅いが、影では女と浮気をしている。
お母さんは昼は専業主婦をしているけど、夜は仕事だと言っているが、本当は男と不倫をしている。
お兄ちゃんは高校に進学しているが、ほとんど学校に行っておらず、悪い友達と遊んでばかり。
私は地元の「東中学校」に在学。高校受験生であるが、ほとんど学校に行っていない。行っても先公に目をつけられている問題児である。学校では友達はいない。
バラバラな家族といるのが嫌で、友達の家を転々としている。
生活のために年齢を偽って都内のキャバクラでバイトをしている。
派手なドレスを着て、化粧をすると、自分が中学生であることは誰もわからない。
そんな生活がずっと続いている。
毎日友達の家を転々とし、公園等で野宿をし、自分の家に帰ることはほとんどない。いや、帰りたくない。
家に帰ればお兄ちゃんに暴力を受けられ、両親はずっと夫婦ゲンカばかり。
私には居場所がない。
ずっと、ずっと、帰る家もない。
ある日、都内を歩き回ると…。
「ちょっと!あんた中学生じゃない?こんな夜をひとりで歩くんじゃないよ!」
相手は別のキャバクラで働くあげはさん(23歳・キャバクラ嬢)だ。
あげはさんは都内にある有名キャバクラのNo.1だ。
あげは「何してるの?ここにいないで家に帰るの。」
かおり「いや!家には帰りたくない。」
あげは「ひょっとして、親とケンカした?」
かおり「別に…。」
あげは「ちょっと来な。」
私はあげはさんに連れられ、マンションへ。あげはさんの家だ。
部屋の中は高級ブランド物が飾られ、ゴージャスだ。
あげはさんはちょうどお店が休み。
コーヒーを入れてくれた。
あげは「はい。これで顔を洗いな。この年齢で化粧をしても似合わないよ。」
かおり「…。」
私はあげはさんの言うとおりにするしかなかった。私はメイクを落とし、顔を洗い、シャワーを浴びて髪と体を洗った。
脱衣所には高級なガウンがあったので、それを着た。
あげは「洗った。そのままのほうが一番かわいいよ!」
かおり「ああ…。」
あげは「あんた、名前は?」
かおり「かおり。」
あげは「いくつ?」
かおり「中3。」
あげは「じゃあ、受験生じゃない!」
かおり「別に。どこにも行きたいところがないし。中学卒業したら働くつもり。」
あげは「私も高校は行ってたけど、途中で辞めちゃったからな~。よく問題を起こす生徒だったから。そのあと、あんたと同じように友達の家を転々として、親の金を盗んだことがあった。後にいろいろなバイトを経て、18歳でこの世界に入った。以来もう5年目だけど。それで、家で何かあったの?私でよければ教えて。」
私は自分の家の状況のことを話した。他では考えられないくらいどうしょうもないほどめちゃくちゃな生活だった。
あげは「じゃあ、うちで暮らせば。今の家だと帰る家がないよね。悪い友達のところへ転々とするよりもずっといいと思うんだ。それと、あんた。隣のキャバクラでバイトしているでしょ?他のやつはあんたのことを中学生であることは知らないけど、私は知ってたよ。顔見たらわかるもん。これ以上問題起こさないためにも、キャバクラのバイトは辞めるんだね。」
かおり「…。」
あげは「返事は?」
かおり「は、はい…。」
あげはさんの言葉通り、キャバクラのバイトを辞めるしかなかった。
しばらくはあげはさんの家へ暮らすことになった。
そのことは両親も兄も知らない。言っても何も関心がない。
生活はあげはさんが面倒を見てくれる。
こんな私だけど、1つ居場所が見つかった。
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