梅の実学園の仲間たち

梅の実学園のメンバー(生徒)たちの物語です。現在のメンバーたちは4800人(匹)!!みんなで作る学園です!!

検診の日

こんにちは。昇(小5)です。

暑くなったね(*^。^*)

 

暑い暑い夏休み。この日は定期検診の日。

お母さんの毅子(たかこ・37歳・ケアマネジャー)に付き添ってもらって、病院へ。

東京にある「慶明大学病院」へ。いろいろな治療実績のある評判のいい病院です。

 

え?定期検診って、どこか病気があるのかって?

じゃあ説明しますね。

実はぼく、「がん」にかかったことがあるんです!!

がんにかかったのはかなり小さい頃なんですが、お母さんが働いている介護施設内にある病院でたまたま見つかりました。

当時看護師だったお母さんは、ぼくの異変については気づいていないらしく、病院内にある託児所の保育士さんが、ぼくの体が少しおかしいと気づき、病気が見つかったそうです。その当時のぼくは何も自覚症状がありませんでしたが(^_^;)

お母さんが当時勤務していた病院では小児科がないため、治療することができないので、今の「慶明大学病院」で治療することになりました。

たくさん検査をして、見つかった病名は「神経芽腫」。子どもに起こるがんだそうです。

闘病生活については長くなるので、いつか教えますが、抗がん剤投与に放射線治療、手術と、小さな体でがんばって、無事に完治することができました!

3歳から5歳までずっと闘病生活してから、もう5年以上がたちましたね。いつ再発するかわからないので、年に何回かの定期検診は欠かせません。

 

待合室で待って、ようやく診察。3歳の頃からずっと担当していた白浜先生(41歳・小児科医)です。

白浜「体調はどうかな?」

昇「うん。大丈夫。」

白浜「特に変わったことはありませんか?」

毅子「特にないですね。」

白浜「じゃあ、昇くん、診察始めるよ。」

昇「は~い。」

と、診察開始です。

白浜「はい、大きくお口を開けて…あ~ん。」

昇「あ~ん。」

と、のどの奥を見てもらったり。

白浜「はい、大きく息を吸って…はいて…。」

と、聴診器で体を当てたり、体を触ったりして、悪いところがないかを調べます。

その後、CTスキャンに採血、検尿…といくつかの検査をしました。

結果は…。

白浜「特に問題はないですね。次の検診まで様子を見ましょう。」

毅子「ありがとうございます。」

昇「ところで先生、病棟の子たちの様子はどうなの?」

白浜「はは~ん、すごく気になっている子がいるの?」

昇「もう5年以上もなるからね~。師長さんともお話したいし、プレイルームも見てみたいし。」

白浜「う~ん、本来なら許可はできないけど、今回は特別だよ。病棟に入るときはマスクを渡すからそれをつけてね。」

昇「わかりました。ありがとうございます!」

と、白浜先生の計らいで特別に病棟に入ることを許可することができました。白浜先生はこのあと診察があるのでいっしょに同行することができませんが、病棟にいる看護師さんが来てくれるそうです。

 

診察室を出た後、総合受付で待ち合わせることに。しばらくすると、小児病棟にいる看護師の利音さん(りおん・23歳・看護師)がやってきました。

利音「昇くんだね。」

昇「はい。」

と、利音さんの案内で、久々の小児病棟へ。お母さんはこの後会計などがあるので、あとで来るそう。

 

利音さんとは初対面。もちろん他の看護師さんもがらりと変わりました。変わっていないのは師長さんくらい。

病棟の中はほとんど変わっていない。病室内は入ることができないけど、プレイルームは入ることができたので、そこで遊んでる子どもたちに会うことができました。

利音さんがいるので、とても心強い。初対面の子とも仲良くなり、一緒に遊びました。師長さんの話では、当時いた病棟の子どもたちは無事に元気になった子もいれば、力尽きて亡くなった子もいました。

 

利音「はい、どうぞ。」

と、利音さんからジュースをもらいました。

昇「ありがとうございます。」

利音「ここで入院してたの?」

昇「はい。がんで。かなり小さい頃でしたけど。今は元気になって、学校もスポーツもがんばっています。今日は定期検診に来ました。」

利音「そうなんだ。ぼくも子どもの頃に入院したことがあるんだ。とはいっても重い病気ではなくて、ぜんそくで。その時の看護師さんがすごく優しかったのがとても印象に残ったよ。」

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昇「そうなんですか。でも男子の看護師なんて初めて。ぼくがいた頃の病棟の看護師はみんな女子ばかりだったよ。」

利音「そうだったんだね(^_^;) ぼくは1年目だけど、小児病棟では初の男子ナースなんだ。他の病棟では男子ナースは何人かはいるんだけど。」

昇「そうなんですか。でも、男子の看護師だと、けっこう安心かも。遊び相手になってくれるし、女子の看護師よりも相談しやすいと思うんだ。」

利音「ありがとう。そう言われるとすごくうれしい!まだまだ半人前だけど、子どもたちもなついてくれて、特に男の子は、小さなことでも時々相談相手になったりしているけど、子どもたちやその親たち、先輩ナースたちに認めてもらえるように、一日でも早く一人前になることが一番の目標!」

昇「ぼくも応援しています。がんばってください!」

利音「ありがとう!がんばるね!!」

と、2人で話しているうちにお母さんがやってきた。

この後、利音さんも仕事があるので、ここでお別れ。

 

つらいときも苦しいときも、ずっと過ごした小児病棟。元気になった今、改めて行ってみると、苦しさよりもちょっと懐かしさがよみがえってきた気がする。

 

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