***出演***
和樹(小5)
賢一郎(25歳・メーカー勤務)
弘行(43歳・メーカー勤務)
(一言)
子どもを取り巻く環境は昔から今までつらい環境で育っている人もいれば、セレブな環境で育っている人もいます。
40代以前の方が子どものときは詰め込み教育、管理教育の真っただ中。特に中学校・高校では服装から髪型まで細かく、厳しくされました。地域によってはひどい校則のところもあり、裁判沙汰になっていたところもあります。反対に公立や私立のトップの学校では自由な校則のところも。勉強では受験競争が激しく、多くの人が高校受験を経験していました。私立中学受験は多かったですが、今のように多くはなく、金持ちの人が行くような学校でした。この時代では公立の中高一貫校は皆無でした。大学受験も今のようにAO入試がない時代。いい大学へ入って、いい会社を目指す人たちが多かったです。ただ、40代前半の方が大学生になった途端に不況になり、就職活動が厳しくなりました。いじめが社会問題になったのも、この世代からでした。
20~30代の方が子どものときは、ゆとり教育がスタート。学校の土曜日が休みになり、授業時間も削減されました。ゆとり教育は40代以前の方の詰め込み教育・管理教育による反省から、休みを増やしたり、授業を減らしたりしました。公立では完全週休2日制であるのに対し、私立は完全週休2日制のところもあれば、土曜日も学校があるところがあります。ゆとり教育の影響で、私立中学受験が急増し、公立の中高一貫校も誕生しました。大学のAO入試もこの頃からスタートしました。反対に20~30代の方が社会人になり、就職活動が厳しくなり、結婚も厳しくなりました。
そしてぼくたち子ども世代。ゆとり教育の反省から、再び詰め込み教育が復活。管理教育は中学以下が厳しくなり、道徳も教科化し、受験も厳しくなりました。小中一貫校がスタートし、子どもの選択肢が狭くなり、金持ちや中流家庭は私立や海外留学の選択肢がありますが、貧困家庭は学校の選択肢がありません。高校受験では推薦入試が廃止になった地域が多く、勉強がますます厳しくなります。反対に現在ある大学入試センター試験が5年後には廃止になり、新しい大学入試制度が誕生します。ペーパーテストゼロ入試が4月に中学2年生になる世代からスタート。大学入試が試験ゼロにしようとするのに対し、高校受験は学力試験のオンパレード。これでは中学校と高校の接続が狭められ、ますます中等教育が崩壊する恐れがあります。小6と中3が対象の学力テストが復活したのもこの世代。小5と中2が対象の体力テストも登場しました。いじめも40代以前より陰湿になり、不登校も増えていきます。その不登校の居場所であるフリースクールが通学義務化になり、不登校の子の居場所がますます減っていきます。
海外では、欧米は試験のない自由な生活がほとんど。アジア新興国では日本のように受験があります。アフリカや東南アジアでは貧しい家庭が多く、学校さえ通うことができない人たちもいます。大人になった今でも文字の読み書きができない人たちが多く、教育の支援が必要になってきます。欧米でもアジアでもアフリカでも、戦争やテロの恐怖を余儀なくされている国が多いです。日本を含め、世界が平和であってほしいことを祈らずにはいられません。
いろんな時代が変わっても、子どもの未来は続きます。全ての子どもたちが幸せでありますように!(和樹)
※4コマの連載シリーズ「イマドキッズ」は、今日の更新をもちまして終了となります。他の4コマの連載シリーズは引き続きお送りします。
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