*前回の記事はこちら!→https://umenomi-gakuen.hatenablog.com/entry/2023/02/02/180000
こんばんは。沙由美(中2)です。
「梅の実」メンバーの美歩がコロナで亡くなった。
原因はお母さんの理緒子さん(42歳・学芸員)が美歩を連れて自分の実家に帰省したためだ。そこで親族間でコロナに感染し、美歩もコロナに感染して、重症化で亡くなった。美歩はワクチンは打っていなかった。理緒子さんもコロナに感染したが、無症状で、ワクチンは打っていた。
美歩は小さい時に白血病を患い、臍帯血移植で完治したが、晩期障害で身長が普通の中1よりもはるかに小さい。中学生の集団がいる中で1人幼稚園児が混ざっているくらい小さかった。美歩のような基礎疾患がある子はワクチンを打たなければならなかった。
それなのに、理緒子さんは美歩のワクチン接種を拒否した。美歩だけでなく、お姉さんの晴奈さん(高2)、お兄さんの裕馬くん(中3)の2人もワクチンを打っていない。理緒子さんは子どものワクチン接種に反対しており、マスクも一切反対している。
ウチは理くん(高2)と相談し、晴奈さんに事実確認をした。
~ここからはオンラインチャットによる会話です~
理「美歩が死んだ理由を教えてくれ。」
晴奈「お母さんが母方の実家に帰ったのが原因なの。お父さん(日向生・45歳・新聞社勤務)と弟は用事があるから断った。私も無理だから断った。実家の帰省については私は反対したけど、お母さんが聞き入れてくれなくて、私の反対を押し切って美歩を連れて実家に帰ったの。」
理「美歩は断ったのか?」
晴奈「美歩は行くって言った。」
尋之(高2)「マジかよ…。」
晴奈「それで行く前日に妹が残したメモには「お母さんを喜ばしたい」と書いてあった。美歩が実家に帰省することでお母さんが喜んでくれるからって…。」
水蓮(ポニー・♀2歳)「「お母さんを喜ばしたい」って、お母さんに気を使っているだけだよ!!」
沙由美「美歩は小さい時に病気をしていたから、コロナには気を使わないといけないのに、何で実家に帰らないといけないわけ!?」
あやか(中1)「普通ならあり得ないよね。」
晴奈「当日は私が目が覚めたら妹の姿がなかった。他の家族に知られることなく出かけたんだ。弟の友達がマスクをしたお母さんとマスクをしていなかった妹の姿を写メで送って来て、それで弟のスマホと共有した画像がこれ。」
理「え!?」
水蓮「これって、わざとコロナに感染しようとしてるじゃない!!」
沙由美「多分そうだよね。普通の親ならあり得ないことだよ。」
秀明(高1)「晴奈さんの母親も反ワクチンのやり方と同じだよ!!」
晴奈「ホントにそう!!自分とお父さんはワクチンを打ったのに、私たち子どもにはワクチンは一切打ってくれなかった。私は電車通学で危険にさらされているし、弟も高校受験があるからワクチンを打たないと困るし。」
拳矢(高2)「お父さんは子どものワクチンに反対だった?」
晴奈「お父さんは賛成派。お父さんに私たち3人のワクチン接種に付き添ってもらうようお願いしたけど、お母さんに見つかってしまって、全てがパーになった。」
理「中学生は保護者の同意が必要だけど、晴奈の場合は保護者の同意がなくても受けれたんじゃないの?」
晴奈「それでもダメって言われた。バイト先ではワクチン接種は親の同意がないとダメだし。」
マドレーヌ(ぶた・♀3歳)「私のバイト先でもそうだった。親の同意がなかったら万が一何かが起こったら責任が取れないし。」
マイネル(くま・♂2歳)「建前では高校生は親の同意がなくてもワクチンは受けれるけど、実際は親の許可がなかったら受けられないしね。親が子どものワクチン接種に反対したら、どうすることもできないし。」
晴奈「何とかお父さんにワクチン接種の付き添いをお願いしようとしたけど、仕事でスケジュールの調整ができないし、お母さんに見つかったらそこで終わり。」
水蓮「ちなみにお父さんは何の仕事をしているの?」
晴奈「新聞記者。毎日新聞の記事を作っているからすごく忙しいし。」
マイネル「新聞記者だったらなかなかスケジュールの調整ができないよ。地元で事件があったらすぐに駆け付けないといけないし。」
沙由美「美歩が死んだこと、今でも信じられない…。」
尋之「そうだよな。ずっと元気だったメンバーがある日突然死ぬのは。」
あやか「梨佳(中1)はずっとショックを受けてた。小学校時代の同級生だったから余計だと思う。」
武尊(中1)「梨佳だけではないよ。麻子も美鈴も希恵も有沙も友理奈(以上、中1)も、美歩と同じ小学校だった子はみんなショックを受けているよ。」
亜沙美(26歳・看護師)「ここにいるみんなは亡くなった美歩さんにご冥福をお祈りしましょう。」
あやか「そうですね。」
(1分間黙とうをした…)
晴奈「ありがとうございます…でも、やっぱり妹が死んだことは悔やんでも悔やみきれないです!!ワクチンさえ受けていればこんなことにはならなかったのに…。」
理緒子「そこで何してるの!!」
沙由美「美歩のお母さん!!」
晴奈「あんたには関係ない!!さっさと出ていって!!」
理緒子「ワクチン接種は絶対に許せないから!!」
理「おい!!あんたがワクチン接種を受けさせないから、美歩が死んだんじゃないのか!?」
理緒子「あのワクチンは毒よ!!子どもには副反応が強くて危ないの!!大人だけワクチンを打てば十分。」
秀明「コロナに感染して亡くなったのは、ワクチンを打ってないからじゃないですか!?」
マイネル「ワクチンは大人も子どもも関係ないんだよ!!ワクチンを打たなかったら、子どもでも重症化するのは当たり前なんだよ!!」
理緒子「何を言っているの!?私のやり方は間違っていないの!!これ以上、私の子どもたちに関わらないでくれる?」
晴奈「うるさい!!!」
理緒子「何するの!?」
晴奈「美歩が死んだのはあんたのせいだ!!もう今日からあんたのことお母さんであることを認めないから。勝手に私の部屋に入ってこないで!!」
理緒子「じゃあ、あなたが出ていきなさい!!ここは私の家!!今日からあなたは赤の他人だから、さっさと出ていって!!」
晴奈「あんたが出ていきなさいよ!!」
秀明「おい!警察呼べよ!!」
マイネル「わかった!!」
その後は晴奈さんと理緒子さんが大ゲンカとなり、大人たちを呼んでも収拾がつかなかった。
晴奈さんの一家の問題はやがて大きな問題に発展するとは、ウチらは想像もつかなかった。
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