＞もうみんな！ケンカはやめて！！こんな状態ではぼくはどうしたらいいかわからないよ！！こんなことになってしまったのはすべてぼくの責任だ！！ぼくが代表を辞める！！もうぐちゃぐちゃになった「梅の実学園」は「解散」だよ！！！（クミン・くま・♂3歳）
こんばんは。理（高2）です。
ゆうべ、クミンが全メンバーに向けたメッセージを送り、クミンが代表を辞めると宣言し、「梅の実学園」の解散も宣言した。
「新型コロナウイルス」という、未知のウイルスに翻弄され、一部のメンバーたちが不祥事を起こし、何人かのメンバーたちが新型コロナウイルスに感染した。
長いことクミンと一緒にやってきたが、こんなことは初めてだ。
オレは全メンバー宛にメールを送り、オンラインチャットでの話し合いを強行した。
～ここからはオンラインチャットによる会話です～
理「活動禁止処分中にどうなったのか知らないが、一体何があったんだよ！！」
真知子（中1）「うちのお母さん（則子・37歳・メーカー勤務）が「梅の実」を辞めたいって言って、沙紀さん（中2）宛てに脱退届を出したんだ。しかも家族全員分！！それでお父さん（勇男・39歳・公務員）が「辞めるなんて聞いてないぞ！！」って言って、夫婦げんかになってしまって。」
明（高2）「真知子のところはお母さんが井上（41歳・信用金庫勤務）との不倫騒動になったんだよね。」
真知子「青田さん（34歳・商社勤務）がコロナに感染して、お母さんと井上さんが濃厚接触者に認定されて、その時はお母さんが家を出て行ってしまって、井上さんのところに居候をしただけ。2人ともセックスはしていないし、お母さんは別居してしまった子どもさんの部屋で寝ていた。」
沙由美（中2）「真知子のお母さんと井上さんは2人で歩いているところを早憂（中2）に隠し撮りされて、SNSに投稿されて、早憂を訴えたんだよね。」
真知子「その事実がわかってから、2人で早憂さんを訴えて、早憂さんは書類送検された。学校でも問題になったみたいで。」
理「早憂、いるか？」
早憂「はい。やった。」
隼人（高3）「早憂も脱退届を提出している。今回の件で。」
理「何で？」
早憂「青田たちがいる「梅の実」なんて、居づらいし、もともと史香（中2）に誘われて入ったから、人と話すのは苦手だし。」
沙由美「ウチもそうだよ。ウチはお兄ちゃん（直昭・高2）に誘われて入った。」
隼人「ぼくと同じチームの彩果さん（23歳・看護師）も脱退届を提出している。」
理「彩果さん、いますか？」
弥香（23歳・看護師）「彩果。」
彩果「はい。」
理「一体何があったの？」
彩果「ウチのせいで同じ病院の仲間が感染して、ケンカになって、それで自殺を図った。自殺未遂をしたことで、うちの親が病院に訴えて、雛乃（23歳・看護師）と希亜良（ねこ・♀5歳）、星羅（22歳・看護師）をクビにしろって要求したそうで、それで雛乃たちをクビにするんだったら、ウチが病院を辞めたほうがいいからって、父にそう言った。それでウチは病院に退職届を提出して、上司は預かると言っていただけで、しばらく休めばって言われた。雛乃たちは1ヵ月間の謹慎処分となった。」
沙由美「何で自殺をしたんですか？」
彩果「ウチが知り合いの商社の男性と合コンを企画して、それで弥香と冬美（23歳・派遣社員）を誘ったの。出会いはいい感じだった。しかし、相手の男性の1人が新型コロナに感染して、他の2人の男性とウチら3人が濃厚接触者に認定されて、PCR検査の結果、ウチがコロナに感染した。症状はなかったんだけど、その後に仮の勤務先の「慶明大学附属はこね病院」で院内感染があって、利音（23歳・看護師）が感染して、もともとの勤務先の「慶明大学附属病院」に緊急搬送されて、一時重症となった。この件でウチと弥香が利音の見舞いに行こうとしたところをたまたま雛乃たちに遭遇して、それでケンカになった。雛乃から「死ね」って言われて、それで自殺を図った。」
弥香「それは彩果だけのせいじゃないよ！！ウチも冬美も悪いよ。」
利音「そうだったんだ。でも、感染されたぼくにも責任があるよ。」
巧都（23歳・看護師）「利音は悪くないよ！悪いのは彩果や雛乃たちだよ。」
雛乃「ウチは冗談半分で2人に「死ね」って言った。まさか彩果が自殺をするなんて思ってもみなかった。その後彩果の親に訴えられるなんて。」
早貴（27歳・看護師）「「死ね」と言った雛乃も悪いけど、私や翔祐（25歳・看護師）に相談もしないで、勝手に自殺をした彩果も悪いよ！！」
巧都「こんな状況で自殺をしたい気持ちはわかるけど、自殺をしても、家族や周りに迷惑をかけるだけだぞ。」
水蓮（ポニー・♀2歳）「そうですよ。ウチも小学生の時にいじめに遭って、死のうとしたことがあった。でも、できなかった。家族がいるからだよ。どんなことがあっても自殺は絶対にダメ！！」
秀子（53歳・飲食店パート）「そうよ。私も知り合いが自殺を図った。幸い大事には至らなかったけど、コロナ不況で経営が苦しくなったのが原因なの。彩果ちゃんのつらい気持ちはわかるけど、彩果ちゃんが自殺をしたら、先輩の早貴ちゃんや同期の弥香ちゃん、ご家族が悲しむわ。」
利音「ぼくも小さいときに病気で入院したことがあるし、今回のコロナの件で別の病気が見つかって、その治療をすることができた。実は1ヵ月前からその症状があったんだけど、一時的な発作だと思って放置していたんだ。しかし、その症状が命に関わることがわかって、もしコロナに感染していなかったら、そのまま放置して死んでいたと思う。逆に彩果や弥香がやっていたことのおかげで、コロナ感染でその病気が見つかった。今は本当に感謝してる。だから気にすることないよ！」
雛乃「そうだったんだ。」
水蓮「コロナ感染で別の病気が見つかったのは不幸中の幸いだよね。」
彩果「ありがと…みんな…（涙声）。」
早貴「退職届を出したこと、上司を通じて知った。翔祐も知ってる。確かにあんたは世間知らずのお嬢様で、ちょっとハチャメチャで困ったことをしていたけど、本当は気配り上手の優しい子で、男性患者からも「彩果ちゃんがいないのはさみしい。」って言ってた。うちでは彩果は必要な存在なんだよ。」
彩果「早貴さん…でも、退職届を出したこと、親に言ったし、特にウチの父は政治家なんで、すごいガンコなんですよ。一度言ったことは絶対変えない人だし。」
井上「だったら、私に相談してくれないか。」
尋之（高2）「井上！！」
沙由美「どういうこと？」
井上「古山先生（63歳・衆議院議員）が彩果さんのお父様とは知り合いなんで、古山先生に相談してみるよ。」
隼人「確か古山先生も脱退届を出しましたよね。」
井上「確かに出したみたいだけど、撤回するそうだ。私もメンバーたちに迷惑をかけたし、借りは返したいからな。」
彩果「ありがとうございます！よろしくお願いします。」
香奈（中2）「井上って、いいところあるんだ。」
亜沙美（26歳・看護師）「「慶明大学病院」はしっかりとしたところなのに、合コン騒動でもめるなんてね。」
沙由美「亜沙美さん！！」
亜沙美「医療従事者であろう者が、STAY HOME無視で合コンなんてとんでもない！！医療従事者としての資質に欠けてますよ！！」
彩果＆弥香「すみません…。」
冬美「てか、ウチは医療従事者じゃなくて、派遣なんだけど。」
尋之「冬美さんはあの後どうなったんですか？」
冬美「ウチもあの後、契約解除はされなかったけど、別の部署に左遷された。そこの部署はちょっとひどくて、仕事もつまらない。」
賢一郎（25歳・メーカー勤務）「派遣を契約解除されないだけまだましだよ。他のところはコロナ不況が原因で解雇された従業員が多くいるのに。」
彩佳（25歳・飲食店アルバイト）「そうだよね。仕事があるだけでもありがたいと思わなきゃ。」
秀子「うちの店もテイクアウトで何とか乗り切っているけど、店内飲食は半分に減った。夜営業は特に客が少なくて、夜のアルバイトの子はみんな解雇されたの。このコロナで病院も店もみんな大変な状況で仕事をしているけど、仕事をしたくてもできない人もいる。仕事があるだけでもありがたいことよ。」
冬美「そうですね。」
チャイナ（くま・♂3歳）「ところで、クミンが代表辞めたいって言っているけど、どういうことだ？」
（つづく）
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