チャイナ(くま・♂3歳)だ。
「梅の実」が新体制となって早数ヶ月。嫌なメンバーが辞めてくれたのは良かったけど、長年一緒だったメンバーたちも辞めてしまったため、ちょっと複雑。
毎月会費をとるので、経済的にも大変。中には生活が苦しい中、会費を払っているメンバーもいる。
オレも例外ではない。バイトはしているけど、コロナで収入が減って、この先やっていけるかどうかわからない。会費を払っても意味がないんじゃないかと思う。
ある日。この日はバイトがなかったので、久しぶりに学校から帰宅。と、そこへ。
綾(高2)「あれ?チャイナじゃない?」
チャイナ「お前かよ!」
やってきたのはアンダークラブメンバーの綾だ。
綾「今、学校の帰り?」
チャイナ「そうだけど。あ、オレの家、そこなんだけど。」
綾「ウチの家もそこだよ。向かいのマンションなんだけど。」
と、オレの家と綾の家はちょうど向かいだった。
綾「よかった入っていく?」
と、連れられてマンションのとある階にある綾の家へ。
中に入ると、消毒をさせられ、検温までやるはめに。
熱は平熱だったので、家に上がることに。
綾「ただいま~。」
颯輔(小5)「お帰り~。」
と、綾の部屋へ。
女子の部屋に入るのは生まれてはじめて。
入ったら、綾はさっそく窓を開け、空気清浄機をつけ、すぐにノートパソコンの電源をつけた。
その後メールをチェックして、Zoomを立ち上げた。
IDとパスワードを入れた後に誰かの顔が複数出てきた。
綾「ハロー!」
画面にいる人たち「ハロー!」
チャイナ「誰だよ!こいつら!!」
綾「あ、アンダークラブメンバーたちだよ。」
チャイナ「え!?」
依里花(高1)「あれ、知り合いですか?」
綾「「梅の実」メンバーのチャイナだよ。実はウチの家の向かいに住んでいるんだ。」
アンダークラブメンバーたち「こんにちは!!」
チャイナ「なんだよ、これは?」
綾「今日はね、くだらない座談会の日なの。この会は学校のこととか、職場のこととか、家族のこととか、いろいろ話してもOKなんだ。」
颯輔「オレも参加してま~す!姉ちゃん(綾)の部屋の隣の部屋なんだけど。」
百合弥(中1)「あ、弟くんも参加だ!」
梨帆(高1)「ちょうどウチも学校から帰ってきたので、ここで参加します~。」
2人で同じ部屋にいるので、2人ともマスクをつけているが、1人の時はマスクをせずにZoomに参加しているそうだ。
あるメンバーの学校での出来事や部活のことなどをざっくばらんに話しっぱなし。話だけ聞きに来た子もいる。
あとで社会人の大人たちも途中から参加し、今度は仕事のことなどを話しに来た。
画面越しだけど、住んでいるところがバラバラで、年齢の垣根を超えて、メンバー内の小さなイベントに参加している。
今はZoomを使用しての座談会やイベントが中心だが、コロナ前では複数のメンバーと集まってご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり、キャンプやボウリングなどをやっている。
子どもと大人が年齢・性別・国籍関係なく、対等に楽しむのは、社会の常識ではありえないが、アンダークラブメンバーではそれが当たり前であることだ。血がつながっている・つながっていない関係なく、どのメンバーも分け隔てなく付き合っている。べたべたした付き合いではなく、ある程度の距離を保ちながらだ。
対立した時の「梅の実」ではそれがない。忘年会や新年会、学園祭などはいろいろな年齢のメンバーたちが集まるが、ごはん会や飲み会では子ども同士、大人同士で集まるのがほとんど。異年齢で集まることはあるが、子どもでは小学生同士、中学生同士、高校生同士がほとんどだ。大人でも大学生同士、若い社会人同士、オヤジだけ、オカンだけ、年寄りだけの集まりが中心。意外と狭い付き合い方だった。
アンダークラブメンバーたちのZoomのやり取りを見てそう思った。
これからの「梅の実」はどうやって付き合っていくんだろう。
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