こんばんは。弥香(23歳・看護師)です。
新型コロナの影響で、ウチが勤務する「慶明大学附属病院」はコロナの治療が大きなウエイトを占めてしまい、うちの病院の一部スタッフと神奈川の「慶明大学附属はこね病院」の一部スタッフたちを入れ替えて業務をすることになった。
ウチはコロナのトリアージが嫌だったので、「はこね病院」の異動を希望し、「総合診療科」という仮の診療科で仕事をしている。総合診療科と言っても、本院である「慶明大学附属病院」の一部の入院患者を「はこね病院」に移動させて、これら入院患者の治療をしているだけ。
「はこね病院」に異動したスタッフには仲良しの彩果(23歳・看護師)も一緒。毎日コロナのトリアージや治療介助をしなくて済むから、ホント楽。
しかし、異動したスタッフには上司でもある美緒子さん(36歳・看護師)がおり、マジで最悪と思った。
そして、そこにもウチの天敵である利音(23歳・看護師)もおり、一緒に仕事をしなければならなくなった。
利音とは看護学校と大学の卒業の違いの関係で、形では先輩後輩の関係だが、高校までの学年は一緒。でも、利音は仕事ができて上司や先輩からの信頼も厚く、いつもライバル意識を持ってしまう。
弥香「あんたさ、後輩だからって、できるアピールしないでよ!!」
利音「は!?」
弥香「ウチだって仕事はできるんだから!!」
利音「じゃあ、ぼくと張り合っていないでさっさと仕事をしたら?」
弥香「ん~もう~!!」
弥香&利音「フン!!」
と、いつもケンカばかり。マジで最悪。
あ~あ、コロナも終息しようがないし、早く結婚して職場を退職したい!!
と、彩果から合コンの誘いを受け、絶対に行くと約束した。
しかし、相手の男性は3人で、ウチと彩果で2人だけ。他に相手がいなかったため、ウチと同じように結婚退職を希望している、高校の同級生の冬美(23歳・派遣社員)を誘った。
次の日、ウチと彩果、冬美の3人で待ち合わせをして、中央町にある高級レストランにて。
席に座ってからしばらくして、相手がやってきた。
相手は大手商社マン。しかもイケメン!ウチにぴったり!!
会はどんどん話が進んで、最高モード。
次の日会う約束をし、連絡先も交換。
こんな出会い、初めて!!
本当に楽しくなりました。
ある日、彩果は同じ部署の先輩で、本院に残っている早貴さん(27歳・看護師)と翔祐さん(25歳・看護師)とリモートでのやり取りがあった。
早貴「そっちはどう?」
彩果「はい!本当に楽しいです!!」
翔祐「なんかあやしいよな~。」
彩果「きのうね、ウチと弥香と冬美で合コンに行ったの。相手は商社マン3人で、超イケメンなの。ウチは春馬先生(27歳・外科医)と付き合っているから、場の設定だけだけど、弥香と冬美が彼氏がいないから、すごく喜んでくれたし…。」
早貴&翔祐「…。」
彩果「何か…?」
早貴「彩果、あんた、何をやっているかわかっているの!?」
彩果「何って、合コンをやったんですけど…。」
早貴「その合コンがやってはいけないっていうの!!」
彩果「合コンやってて何が悪いんですか!?別に悪いことしてないし!!」
翔祐「彩果、今のご時世わかってるのかよ!!「梅の実」ではコロナ終息まで飲食店の中の飲食は禁止になったんだよ!!お前、こないだ届いたガイドラインを見たのかよ!?」
彩果「いえ、見てないです。」
翔祐「ダメだわ。早貴さん、こいつ全然わかってないわ。」
早貴「今度、美緒子さんに報告するわ。」
彩果「それだけはやめて!!弥香がかわいそう!!」
早貴「いいえ、美緒子さんたちに報告をして、あんたたちを反省させるべきだわ!!覚悟しなさいよ!!」
と、彩果が合コンのことを早貴さんたちにしゃべってしまい、のちに美緒子さんたちに伝わってしまった。ウチら2人は美緒子さんにこっぴどく怒られた。
幸いウチらはコロナに感染してないし、普段通りに仕事をした。
しかし、その1週間後、合コン相手の1人が新型コロナに感染したニュースが報道され、他の2人が濃厚接触者として自宅待機となった。
そして、保健所から連絡があり、ウチが濃厚接触者として認定され、自宅待機を命じられた。ウチだけでなく、彩果も冬美も濃厚接触者として認定された。
後日、PCR検査の結果、彩果が無症状だが、新型コロナの陽性判定を受けた。ウチと冬美は陰性だった。
そしてこの後、「はこね病院」では大きな事件になるとは、ウチらは想像もつかなかった。
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